朝読書におすすめの本をご紹介する『まっこリ~ナのCafe BonBon』。小説やエッセイ、暮らしや料理の本など心に効く本をセレクトしています。
今日の「まっこリ~ナのカフェボンボン」の本棚は、人の心理を知るための本。
人間関係のことでモヤモヤする時。あの人はどうしていつも意地悪なんだろう、上から目線なんだろう、あんな言い方するんだろう。気がつけばそのことばかり考えている。そんな時にオススメの本を選びました。人の心の内側を客観的に知ることでモヤモヤが少し軽くなるかもしれません。休日の読書にぜひどうぞ。
人間心理を哲学的に考える一冊

『人がいじわるをする理由はなに?』
文:ドゥニ・カンブシュネ/絵:ギヨーム・デジェ/訳:伏見操
出版社:岩崎書店
「いじわる」をテーマにした本。十代の読者に向けて書かれたフランス発の哲学入門シリーズの一冊です。人間関係について考えるヒントが見つかります。
「いじわるや悪は、善とおなじように、ごくふつうの人々の、ごくふつうの関係においても見られるのだ」。確かにいじわるは日常的なものなのかもしれない。でも、誰かのいじわるや悪意はトゲのように心に刺さる。とくに小さないじわるのトゲはチクチク痛んで、なかなか抜けない気がします。
そもそもいじわるってなんだろう。どうしていじわるするの? そんな疑問に答えてくれるのが本書。哲学者の名言を紹介しながら、いじわるを哲学的な目で分析します。いじわるの種類や程度、いじわると悪の関係などについて考えていくうちに、いじわるをする人の気持ちや理由がわかってきます。
いじわるの二大原因は、憎しみと軽蔑なのだそうです。いじわるな人の心を知るヒントがそこにありそうですね。人の心の謎やコミュニケーションについてあらためて考えたくなる一冊です。
人の心理を裏側から覗く一冊

『シャーデンフロイデ 他人を引きずり下ろす快感』
著者:中野信子
出版社:幻冬舎
「シャーデンフロイデ」とは、誰かが失敗したときに、思わず湧き起こってしまう喜びの感情のこと。脳科学者・中野信子が人がなぜ「妬み」を覚え、他人の不幸を喜ぶのかを解き明かします。
人を引きずり下ろしたときに生まれる快感。他人が痛い目にあったとき、いい気味!と思ってしまう心の動き。でも、こんな恥ずかしい気持ちは誰にも知られたくない。快感は一瞬、そのあと決まって心がざらつくという人も多いかも。著者によると、この心の動きは本当は誰でも持っているもの。もともと相手に妬みの感情を持っていると、快感はさらに強くなるのだそうです。
本書では、シャーデンフロイデが愛と絆の脳内ホルモン「オキシトシン」と深い関わりがあること、この脳内物質が妬みの感情も高めることなどを紹介。愛情のネガティブな側面も解き明かしていきます。子どものいじめやネットでのバッシングといった身近な話題にも触れています。
自分の心を客観的に見つめるためのヒントが詰まった一冊です。まわりの人の行動に隠された心理が見えてくるかもしれません。
詳しくはこちらの記事をどうぞ。
*『人がいじわるをする理由はなに?』
*『シャーデンフロイデ 他人を引きずり下ろす快感』
ラブ&ピースな一日を。
Love, まっこリ〜ナ
「まっこリ~ナのカフェボンボン」を読んでくださってありがとうございます。「カフェボンボン」が心ときめく本との出会いの場となりますように。
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