忘年会やクリスマスパーティーや帰省など、イベントの多い12月。人とのお付き合いが増えるこの時期は、マナーに迷うシーンも多いですよね。
きちんとマナーを抑えておけば、訪問先でも相手に思いやりの心が伝わり好印象につながります◎
前回のコラムに引き続き、今回も好印象マナー講師 林 慶子さんが教えてくれるマナーの中から、年末や帰省前に知っておきたいマナーをご紹介します。
何を選んでどう渡す?心が伝わる「手土産」のマナー
帰省や親しい人のご自宅に伺うときに、どんなものが喜ばれるのか、またいつ渡すべきかと迷うことがありませんか?
金額の目安
一般的に、手土産の相場は下の通りと言われています。
- 友人など、親しい間柄:2,000円~3,000円程度
- ビジネス :3,000円~5,000円程度
- 謝罪やお願い :6,000円~10,000円程度
ただ、お相手や訪問の目的によっても変わるので上記を目安に、その時々で考えるようにしましょう。
選び方
いざ手土産を選ぼうとすると、何を選べばよいのか迷ってしまいますよね。そんな時は4つのポイントを抑えておくと選びやすくなります◎
- 【1】食べものや飲料など
- 【2】確実においしいといわれているものや、有名店のもの
- 【3】日持ちのするもの
- 【4】小分けにしてあるもの
スマートな手土産の渡し方
また、渡すタイミングも抑えておきたいマナーのひとつ。持参した手土産や訪問先によって選ぶのがよいとされています。
- 訪問した際は「席に着く前」
- 冷蔵ものなどは、玄関先で
- 会食などの場合は「帰り際」
袋から出してお渡しし、袋は持ち帰るのが基本ですが、帰り際に渡す際には袋に入れたままお渡しするのがおすすめです。
また、以前は「つまらないものですが」と言葉を添えることが多かったのですが、最近では良い印象を持たれないこともあるのだとか。「○○がお好きだと伺ったので」「お口に合うと嬉しいのですが」など、選んだ理由やエピソードを添えると心が伝わってよさそうです。
時代や状況に合わせて、贈るものや添える言葉を選んでいきたいですね!
玄関で「靴を揃える」理由って?
小さい頃から「靴を脱いだら揃えなさい」と、家でも学校でも教わりますが、履物を揃えることに意味があるのをご存じでしょうか?
履物を揃える=心を整える、ということ
玄関で靴を脱いで家にあがることは、ひとつのシーンの区切りでもあります。最後をいかに丁寧に終えられるか、そこに心の状態が表れると言います。
「脚下照顧(きゃっかしょうこ)」とは?
「脚下照顧(きゃっかしょうこ)」という禅宗の言葉には「履物をそろえましょう」という意味で使われますが、これは「自分の足元をよく見よ」という意味が込められています。
- 他人や外ばかり意識を向けずに、立ち止まって自分の足元をよく見ること
- 足元(こころ)は乱れていないか。他の人の靴を揃える心の余裕はあるか
「履物を揃える」という行動には、こんなに深い教えが込められています。
意外と知らない玄関で靴を揃えることの理由。室内に入る前に靴を揃えて、心を整え、お相手に向き合えるといいですね。
(参考:子供の頃に教えられたマナー。玄関で「靴を揃える」理由って?)
おもてなしの心そのもの!「座布団」のマナー
和室でよく目にする座布団。普段、何気なく使用していますが、意外とマナーが多いアイテムです。
座布団を踏んではいけない理由は?
座布団は、高貴な人しか座れなかった貴重なものを「あなたに使っていただく」という、招待した人やお店からの「おもてなしの心」そのもの。ですので、「その気持ちを踏みにじってはいけない」という理由で、座布団は踏んではいけない、とされています。
座布団についてのマナー
- 座布団を移動させない
招待した側の方が「ここに座ってください」と、お客様にとって一番良い位置に置いてくれているもの。座る時は移動させないよう気をつけましょう。
- 縫い目のない部分が「前」
座布団は一枚の布からできているので、縫い目が一辺だけありません。この縫い目のない部分が「前」です。
外出先でも使用する機会が多い座布団。心遣いやおもてなしの心を理解して、より大切に使いたいですね◎
(参考:おもてなしの心そのもの!知っておきたい「座布団」のマナー)
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年末のお呼ばれや訪問先で役立つマナーをご紹介しました。せっかくのお呼ばれや帰省を心地良く過ごすためにも、今からしっかりと準備しておきましょう!