おはようございます。好印象マナー講師の林慶子です。
ひとつのテーマを1週間意識して過ごすことで、マナーや心遣いが自然と身に付く!そんな連載コラムを毎週火曜日にお届けしています。
今週のテーマ:おもてなしの心が詰まった「座布団」のマナー
前回の記事では、和のもので踏んではいけないものとして、「敷居」についてお伝えしました。
他にも踏んではいけないとされているもので、今回は「座布団」についてお伝えします。
座布団を踏んではいけない理由は?
座布団が一般的に普及したのは、大正時代に入ってからです。それまでは、身分の高い人しか座れませんでした。
座布団は、高貴な人しか座れなかった貴重なものを「あなたに使っていただく」という、招待した人やお店からの「おもてなしの心」そのものなのです。
ですので、「その気持ちを踏みにじってはいけない」という理由で、座布団は踏んではいけない、とされています。
座布団には、一枚の中にたくさんの心遣いが詰まっています。この記事では、そんな座布団についてのマナーや豆知識をご紹介します。
【1】座布団を移動させない
座布団は、招待した側の方が「ここに座ってください」と、お客様にとって一番良い位置に置いてくれているもの。
ですので、座る時は移動させないよう気をつけましょう。
【2】縫い目のない部分が「前」
実は、座布団には前後があります。
座布団は一枚の布からできているので、縫い目が一辺だけありません。この、縫い目のない部分が「前」です。
それは、向かいあった相手に線引き(縫い目)がない=「あなたとの縁が切れませんように」という気持ちのあらわれと言われています!
【3】座布団についている「ふさ」
ほうきのように見える「ふさ」。ほうきの「掃く」から「払う」に転じて、ふさには、悪いものを払う効果があると信じられています。
ですので、「座るひとに悪いことが起きませんように」という祈りを込めて、座布団にふさが付けられるようになりました。とても繊細な心遣いですね…!
【4】座布団は長方形
座布団は正方形に見えますが、実は長方形なのです。
これは、両太ももの横の幅より、太ももの縦の長さのほうが長い、ということに配慮してあるためです。
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たった一人分のスペースに、こんなにたくさんの心遣いやおもてなしの心が詰まっている座布団。私たちも、これだけお相手のことを大切にできるようになりたいですね。
それでは、また次回!Have a ごきげん day!
このコラムは【毎週火曜日】更新です。次回もお楽しみに!