おはようございます。好印象マナー講師の林慶子です。
ひとつのテーマを1週間意識して過ごすことで、マナーや心遣いが自然と身に付く!そんな連載コラムを毎週火曜日にお届けしています。
今週のテーマ:クレーマーにならない「クレーム」の伝え方
なにかのサービスを受けた時に限らず、職場や家庭内など、自分の期待することをお相手がやってくれなかったとき、「なんでこうやってくれないの?」という気持ちになりますよね。
お互いが気持ちよく暮らしていくためにも、改善してほしいことを伝えなければいけないときもあります。
そんなときの例として、以下の2つの表現を比べてみてください。
「料理が出てくるまでに、1時間も待たされました。いったいどうなっているのでしょうか?」
「料理が出てくるまでに、1時間かかりました。忙しい時間帯だったかもしれませんが、もう少し早く出てくると、嬉しいです。」
この2つの文は、内容は同じですが、ことばの使い方が違うせいで、印象が異なりますね。
では、どちらのほうが心に余裕があるように感じますか?そして、自分ならどちらの表現を選びたいですか?
今回は、ただのクレーマーにならないための、印象の良い「上手なクレームの伝え方」のポイントを解説します。
「クレーム」を伝えるとき、意識したい6つのこと
【1】感情的にならない
クレームを伝える時は、怒りの感情があることがほとんどです。
ですが、感情をただぶつけても、建設的な話にはなりません。
大前提として、まずは「一呼吸おく」ことを意識しましょう。
【2】事実を伝える
【1】とも関連しますが、感情は一旦横に起き、事実をしっかり伝えるようにしましょう。
どのような迷惑を被ったのか、事実のみをまず整理して伝えると、相手にも理解されやすく、冷静に話ができます。
【3】自分にも非がないか、ふり返る
悪いのは、お相手だけではないかもしれません。
伝え方が悪かったのかもしれない、見落としがあるかもしれない、やり方が間違っているのかもしれない…。
もし絶対に自分に非がないとしても、一言それを伝えられると、「お互いさま」の精神になります。さらに、万が一自分に非があった際に、恥ずかしい思いをしなくてすみます。
【4】お相手の背景を想像する
もしかしたら忙しかったのかもしれない、もしかしたら不具合があったのかもしれない、など、背景を想像する。
○○だったのかもしれませんが、という伝えかたをすることで、相手のことも理解したうえで伝えている、という印象を与えられますね。
【5】どうしてほしいのかを伝える
「次から気を付けてください。」「返金してください。」など、自分がどうしてほしいのかを伝えないと、着地点がないまま話がダラダラと続きがちです。
そして、お相手にしてほしいことを伝えたら、この話は終わり!と決めましょう。
【6】「困ります」よりも「嬉しいです」「助かります」を伝える
「○○してくれないと困ります。」「○○してください。」
という代わりに
「○○してくれると嬉しいです。」「○○してくれると助かります。」
のような言い方を使うと、相手に寄り添う印象に変わります。例えば、「次から気を付けていただけると嬉しいです。」「交換してくれると助かります。」など。
クレームの内容によっては「許せない!」という気持ちがあるかもしれませんが、敵意むき出しにするより、プラスの感情を入れてみましょう。
誰でも完璧ではありませんので、改善のためにお相手に伝えることは必要です。
その際はぜひ、「私も完璧ではない」という気持ちと、自分が同じ立場に立った時にイヤな気持ちにならない言いかたかどうか、を意識できるといいですね。
怒りの感情を持ったときに現れるのは「人間性」です。
状況にもよりますが、ぜひ「まぁるい気持ち」で伝えてみてくださいね!
それでは、また次回!Have a ごきげん day!
★このコラムは【毎週火曜日】更新です。次回もお楽しみに!