春からの新生活、ビジネスの場でも周囲に良い印象をもってもらいたいですよね。そんなときに差がつくのが、社会人としてのマナーや正しい言葉遣いです。でも、意外と間違えやすい表現も多く、知らずのうちに相手に不快な思いをさせてしまうこともあるかも…。
そこで今回は、マナー講師 林 慶子さんの連載の中から、覚えておきたい「間違えやすい言葉遣い」を厳選してご紹介!気持ちよく社会人生活を過ごすためのコミュニケーション術を、ぜひチェックしてみてください!
【1】うっかり失礼になっているかも?「間違えやすい表現」5つ
目上の方やお客様との会話で、知らず知らずのうちに失礼な表現を使ってしまっていることがあります。言葉ひとつで、印象がガラッと変わってしまうのがビジネスシーンの難しいところ。まずは、つい使いがちだけれど、実は注意が必要な言葉遣いを5つご紹介します。
気をつけたい表現と正しい言い換え
- 「了解しました」 → 「承知しました」
「了解」は上から目線と受け取られる場合も。目上の方には「承知しました」を。 - 「参考になりました」 → 「勉強になりました」
「参考」は“自分の判断材料”という意味。感謝を伝えるなら「勉強になりました」が自然です。 - 「お名前を頂戴できますか?」 → 「お名前を伺ってもよろしいでしょうか?」
名前や電話番号は“頂戴”しないもの。丁寧に「伺う」表現を使いましょう。※名刺は「頂戴」でOK! - 「◯◯様でございますね」 → 「◯◯様でいらっしゃいますね」
「ございます」は物に使う丁寧語。人には「いらっしゃる」と尊敬語を使いましょう。 - 「お体ご自愛ください」 → 「ご自愛ください」
「ご自愛」には“お体を大切に”の意味が含まれているので、「お体」は不要です。
うっかり使ってしまわないように、復唱してみてくださいね。慣れれば自然と口に出るようになりますよ!
(参考:うっかり使ってるかも!?ビジネスシーンで気をつけたい言葉5選)
【2】口語と文語の違い!「御社」と「貴社」の使い分けポイント
ビジネスでよく使う「御社(おんしゃ)」と「貴社(きしゃ)」、意味は同じでも使い分けが必要です。
- 「御社」:話し言葉で、会話や面接、電話など口頭で使用
- 「貴社」:書き言葉で、メールや書類、履歴書などに使用
また「御社様」「貴社様」といった二重敬語はNG。業界によっては「貴行(銀行)」「貴院(病院)」など異なる表現を使う点にも注意しましょう。話すときは「御」、書くときは「貴」と覚えておくと安心です。
しっかり使い分けることで、より信頼感を得られるはずですよ!
(参考:「御社」と「貴社」はどう違う?相手の会社を表す敬語の使い分けマナー)
【3】印象アップ!「いいですか?」の丁寧な表現
ビジネスでよく使われる「いいですか?」。実は、この表現にはより丁寧な言い回しがいくつかあります。
丁寧さの順番で並べると、
「いいですか」<「よろしいですか」<「よろしいでしょうか」<「よろしゅうございますか」
となり、左から順に丁寧さが増していきます。
「よろしゅうございますか」は非常に丁寧な表現ですが、やや古風なので、最近ではあまり使われることは少なくなっています。目上の方や正式な場面では「よろしいでしょうか」を使うのがベターです。
また、「いいですか」「よろしいでしょうか」の他にも、確認の表現として「かまいませんでしょうか」や「差し支えないでしょうか」、「お間違いないでしょうか」などもあります。状況に応じて、最適な表現を使い分けることが大切です。
相手や状況に応じて適切に使い分けられるよう、いろいろな言い回しを覚えておきたいですね!

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もうすぐ新年度。今までとは違った環境で、新たな出会いを経験することも多いですよね。そんな時、相手にできるだけいい印象を持ってもらえれば、その後の付き合いやコミュニケーショ…
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正しい言葉遣いを意識するだけで、周囲に与える印象がぐっと良くなります。新しい環境で自信を持ってコミュニケーションを取るために、今日ご紹介したポイントをぜひ意識してみてくださいね!