おはようございます。好印象マナー講師の林慶子です。
ひとつのテーマを1週間意識して過ごすことで、マナーや心遣いが自然と身に付く!そんな連載コラムを毎週火曜日にお届けしています。
今週のテーマ:履物を揃えて、心を整えよう
新しい出会いが沢山あった4月。いつもより、どこか緊張して、なんとなく慌ただしい気がしていた方は多いのではないでしょうか。
5月はたまに深呼吸をしたりして、心も身体もゆっくりさせてあげたいですね!
そんな時期に改めて意識したいのが「履物(靴)を揃える」ことです。
小さい頃から「靴を脱いだら揃えなさい」と、家でも学校でも教わっていたと思いますが…どうして靴を揃えなければいけないのでしょうか?
履物を揃える礼法の由来は?
つま先を外、かかとを家の中に向けて履物を置く。
この置き方は、沖から船が出ていくように見えることから、「出船」と呼ばれます。(逆に、つま先が室内、かかとが外を向く置きかたを「入船」と言います)
昔、礼節を重んじる茶室では、武士であろうと、刀を持たず、靴も脱がなければいけませんでした。
そこで、急に敵が襲ってきてもすぐに履物をはけるよう、履物を脱いだら出船のかたちに置く、という礼法が生まれたそうです。
履物を揃える=心を整える、ということ
玄関で靴を脱いで家にあがることは、ひとつのシーンの区切りでもあります。外出先と、家の中…気持ちがなんだか変わりますよね!
「外出先」というシーンの締めくくりに、靴を揃える=気持ちを整えて終える。
最後をいかに丁寧に終えられるか、そこに心の状態が表れます。また、揃った靴を履いて出かけることで、気持ち良くスタートできると思いませんか?
「脚下照顧(きゃっかしょうこ)」とは
「脚下照顧(きゃっかしょうこ)」という禅宗のことばがあります。「履物をそろえましょう」という意味で使われますが、これは
「自分の足元をよく見よ」
つまり
- 他人や外ばかり意識を向けずに、立ち止まって自分の足元をよく見ること
- 足元(こころ)は乱れていないか。他の人の靴を揃える心の余裕はあるか
という教えからきています。
「履物を揃える」というなにげない行動には、こんなに深い教えがあるんですね!
まとめ
このように、「履物を揃える」という行動には、様々な意味があります。
なお、靴を揃えるときは、靴を脱ぎながら足で揃えず、「揃える」という漢字のつくりのとおり、「手を前に出して揃える」ようにできると、印象美人上級者ですよ!
ぜひ今週は「心を整える」ことを意識して、丁寧に靴を揃えてみてくださいね。
それでは、また次回!Have a ごきげん day!
★このコラムは【毎週火曜日】更新です。次回もお楽しみに!