「朝活手帳」の著者 池田千恵さんの連載「朝ノートで作る!マイストーリーの育て方」では、朝時間を活用して人生を変えた池田さんに朝時間×ノートの使い方、考え方をご紹介いただきます。ノートを用意して、一緒に朝ノート習慣をはじめませんか?
第20回:朝ノートで「メタ認知力」を鍛える方法(後編)
おはようございます!朝イチ業務改革コンサルタントの池田千恵です。
この連載では、朝時間でノートに自分の過去(自分が紡いできた物語)や未来(これから紡ぐ物語)を描くことで、小さいころからの夢やワクワク、興味の向かう先を思いだし、未来の夢につながる「道しるべ」を見つける方法を紹介します。
前編の記事「怒りや悲しみ…ネガティブ感情を「朝ノート」できれいサッパリ浄化する方法」( https://asajikan.jp/article/205357)では、怒りや悲しみから感情と事実を切り離すために朝ノートに書き出すことが効果的だという話をしました。
後編では、具体的にどうやって朝ノートを書けば良いのかについて解説します。
「事実」と「感情」を切り分けて書くことがポイント
前回は朝ノートに書く手順を紹介しました。
1. 夜考えると感情に支配されてしまいがちなので、夜はサッサと寝て朝考えよう!と戦略的に先送りする
2. 朝、前日の失敗や反省、相手に言われた言葉を、感情を抜きに事実「だけ」を書いていく
今回は2に焦点を宛て、具体的にどのようにして私が「認知の歪み」から開放されたかについて解説します。
これはかつて、仕事が全くできなかった私をなんとかまともな人間に育ててくれた恩人の上司に教えてもらったやり方です。
当時の私は、言われた指示をそのまま受け取ることなく、あれこれ事前に考え過ぎ、先回りして気をきかせたつもりの行動が、すべて的外れ。指示を受けてもその意図を把握しきれないまま、確認せずに思い込みで行動するから、お客様や上司の求める結果を出せずにいました。
一生懸命やっているつもりでも空回りして失敗ばかりする私の行動を見て、上司はこう言いました。
「あなたは聞いたことを“自分語”に読み替えてしまうからおかしい行動になるんだ」
「私があなたに言った注意事項を一字一句、言葉を変えずにそのまま書き出して見直すように」
そこで、上司の言葉をそっくりそのまま、言葉通りに把握する訓練を、始業前に会社近くのファストフード店で始めることにしたのです。
事実「だけ」書くのは難しい?朝時間を活用しよう!
このときのポイントは、「頭に来た」「悲しい気分になった」などの感情を書くのではなく、言われた言葉や出来事、当時の状況などの「事実」を淡々と書くことです。
実は私は最初、言われたことを忘れないうちに!と思って夜書いていました。でも、夜は「理性的に書こう」と思っても、つい感情に引っ張られてしまったのです。
- 「そんなひどいこと言わなくてもいいのに」
- 「言ったときの表情が意地悪でむかつく」
- 「なんで社会人にもなって、そんな小学生みたいなことをしなければいけないのだろう」
- 「日本語はわかるし、言われたことをちゃんとやってるつもりだよ」
- 「私は悪くない」
- 「もう辞めたい」
- 「こんなに頑張っている私なのに、認められていない」
でも、朝起きてスッキリした頭で「事実だけを書き出そう」と思うと
- 「そういわれてみればもっともだな」
- 「上司はそういう意図でこの指示を出したんだ」
- 「もうすこしこうしてみよう」
といったように、前向きに分析して、行動に落とし込んで考えることができるようになりました。
なぜ朝のほうが前向きに考えられるのか?
なぜ夜だと感情に支配されるのに、朝だと理性的になれるのでしょうか。私は2つ理由があると思っています。
1) しばらく時間をとることで冷静になれる
2) セロトニン効果で前向きになれる
起きた出来事をすぐに消化しようと思っても、なかなか割り切れるものではありませんよね。以前精神科医の先生に聞いた話ですが、睡眠で記憶や感情経験が整理整頓されるそうです。
いったん寝て、スッキリした頭で考えることで冷静になれた気がします。
また、早起きして網膜に早く光を当てると心身の安定や安らぎに寄与する「セロトニン」が分泌されるということが科学的に証明されています。
ぜひこの方法で、嫌なこともキレイサッパリ流してしまいましょう!
☆本連載は毎月1日・2日の公開です。
☆前編「怒りや悲しみ…ネガティブ感情を「朝ノート」できれいサッパリ浄化する方法」 >> https://asajikan.jp/article/205357