春の朝読書に♪小説『ニキの屈辱』と「いちごフレンチトースト」レシピ

 

おはようございます。料理家のまきあやこです。

連載『本と映画と朝ごはん。』では、朝におすすめの本や映画、そして、一緒に楽しみたい簡単朝ごはんレシピをお届けします。

みなさんには、忘れられない恋の物語はありますか?

今朝は『人のセックスを笑うな』でも有名な山崎ナオコーラさんの本『ニキの屈辱』をご紹介します。

春の朝に読みたくなる本。山崎ナオコーラさんの『ニキの屈辱』


ニキの屈辱

私にとってこの本は、春になると読みたくなる一冊。

春の風が吹く朝に、春の雨が降る朝に、春の匂いのする朝に…毎年本棚から取り出しては、ニキと加賀美君の恋のお話に、ほんの少し胸をいたませたりします。

若くして有名な写真家となったニキと、そのアシスタントとして出会う加賀美君。桜の季節、賑わう井の頭公園の近くにあるニキのマンションで出会う2人のお話。

写真一筋で、素っ気ない、強がりのニキと、社交的で、お料理とかわいい雑貨が好き、そつのない、けれど写真家としては無名な加賀美君との恋の物語です。

この本の中でひときわ好きなシーンは、加賀美君がはじめてニキを被写体にしてカメラを向ける場面。

誰かのことを好きになって深く関わりあってみないと、動かされないこころの部分というのが多分あって、それが起こるのが、恋をして起こる素敵なことの一つだと思うのですが、そんな恋の魔法みたいなものがこのシーンには詰め込まれているような気がします。

そして、こういう魔法のようなことが起こる恋というのは、その人にとってなかなか忘れられないものになるんじゃないかなぁ、と思ったりします。

ニキになった気分で食べたい朝ごはん「いちごフレンチトースト」

…という訳で、今朝は、ニキが加賀美君を想いながら、気合いを入れて作ってみたんじゃないかなぁ…と私が妄想した朝ごはん、いちごがたっぷりのガーリーなフレンチトーストをご紹介しますね。

<材料>

  • a.卵 1個
  • a.牛乳 100cc
  • a.砂糖 大さじ1
  • 食パン 1枚(6枚切りの山型を使用)
  • バター 適量
  • いちご・蜂蜜・粉砂糖 お好みで

<作り方>

1) a.をバットでよく混ぜたら、食パンをしっかり両面浸して、バターを入れたフライパンを弱火に熱して両面をじっくり焼く。

2) 焼けたらお皿に移して、切ったいちごや粉砂糖、蜂蜜をお好みで◎

物語の終盤、ニキは、普段は着ることのないふわふわとしたスカートを履いて現れます。ニキの渾身のおめかし。そんなシーンから妄想したフレンチトースト。

フレンチトーストの基本的で作りやすい分量になっていて、誰でも美味しく作れると思います!

春は出会いと別れの季節。

この本を春に読みたくなるのは、結末はどうであれ、必要な出会いというのが人生にはたくさんあって、あたらしい季節にもそんな出会いがたくさんあるといいなぁ、という気持ちになれるからかもしれません。

ニキと加賀美君は、この物語の後もきっと素敵な人生をどこかで歩んでいるんじゃないかなぁ、と考えたりしながら。

ぜひこの季節に、お手にとって見てください。

☆この連載は<毎月1回>更新します。次回、4月の記事もどうぞお楽しみに…!

 

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