文/堀知佐子(レストラン『Le Rire』オーナー兼シェフ)
イラスト/いしわたりきわこ
12月の忘年会やクリスマスパーティーに続いて、1月のおせち料理や新年会。イベントごと目白押しのこの時期はせっかく成功したダイエットも台無しの気配…、という方も多いのでは。そこで太りにくい上手な食べ方をお伝えします。
第一に、まず必ず朝食を食べましょう。以前は1日の摂取カロリーと消費カロリーのバランスで、太る・痩せるが決まるといわれていましたから、抜くことがいちばん簡単な朝食を食べないことが減量につながるとされていた時期がありました。
その後、時間栄養学の研究が進み、朝ご飯を食べることで内臓や末端の体内時計がリセットされることや、朝のほうが血糖値を調整するインスリンの効きがよく、食後血糖値上昇が抑制されることもわかりました。アメリカとカナダで30歳以上の男女5万人を7年半追求した研究では、「3食のうち朝食で最も多くエネルギーをとる人がいちばん太りにくい」という結果も出ています。
第二に、太りにくい順番で夕食を食べましょう。そもそも夕食は心身を休める就寝時間の入り口の食事なのでしっかり食べる必要がないのです。しかも血糖値を上げる「グルカゴン」というホルモンの分泌量もピークになります。ですから血糖値を急速に上げる「高GI食」は避けるのがベター。高GI食を代表するのは、うどんやおもち・白米・じゃがいも・もちろんたっぷり砂糖を使っているデザートも。高GIではなくても脂肪になりやすい果物は夜に食べるのはNGです。
食べ方としては野菜→たんぱく質の順番。野菜とたんぱく質はおなかいっぱい食べてもOK。シメのうどんや雑炊は避けましょう。醸造酒・蒸留酒にかかわらず、お酒は脂肪になりやすいのでほどほどに。飲み方はアルコールと同量の水をご一緒に。飲み過ぎを防ぐので二日酔いにもなりませんし、食べ過ぎも防げます。
またアルコールの代わりに100%果汁のジュースなどが健康によいと思っている方も、要注意。太るという視点では清涼飲料水と同じくらい貢献します。飲むなら、ノンシュガーのお茶がおすすめです。年始は「太りにくい食べ方」を、ぜひお試しください。
▼こちらもおすすめ!
堀知佐子(ほり・ちさこ)
管理栄養士・食生活アドバイザー・アンチエイジング料理スペシャリスト。レストラン「Le Rire(ル・リール)」シェフ。京都の調理師学校で教鞭をとった後、京料亭「菊乃井」の物販事業部責任者を経て、2010年株式会社「菊の井」常務就任。08年アンチエイジングをコンセプトとしたレストランを開業。料理教室の開催、地方自治体アドバイザー、講演など、食と健康をテーマに幅広く活動。著書に『みそと野菜でアンチエイジング』『100歳まで錆びない栄養レシピ』など多数。
※この記事の内容について、株式会社ワコールは監修を行っておりません。
※この記事に含まれる情報の利用は、お客様の判断と責任において行なってください。