今日の「まっこリ~ナのカフェボンボン」の本棚は、『ハピネス』。
ママ友たちとの付き合いや子育ての息苦しさ。東京湾に面してそびえ立つ豪華なタワーマンションを舞台に、作家・桐野夏生がママ友たちの光と影を描きます。
『ハピネス』
著者:桐野夏生
出版社:光文社
この居心地悪さの正体はなんでしょう? なんとな〜くイヤな感じ。語り手の有紗もママ友仲間も。
ママ友リーダーの言いなりだったり、小さなマウンティングをしたり。人間関係の裏に見え隠れする、そこはかとない嫌らしさがその正体かも。
「花奈ちゃんママ」こと有紗の日課は、女の子のいるママグループと遊ぶこと。リーダー格のママに密かに憧れ、華やかな集団との付き合いに必死な有紗。のけ者にされないか心配で「だらしないママ」と軽蔑されるのがなにより怖い。だけど、彼女にはママたちには言えない秘密があって……。
一見、子育ても夫婦仲も万事順調そうなママたちは、ポジティブなオーラに包まれていつも上機嫌。そこに緊張感をもたらすのが、唯一タワマンの住人ではないママ。「江東区の土屋アンナ」といわれるほど美しい彼女が、率直な物言いでママ友の輪に波乱を巻き起こす。
ママ友軍団にトラブルの予感。さあどうなる?と読み出したら止まらないです。絶対に本音を言わないママたちの心のうちが見えてくる。それがママ友小説の醍醐味ですね。ハマります。
桐野夏生さんの小説、以前ご紹介したこちらもぜひどうぞ。
*桐野夏生が描く心の闇 ダークな世界を一気読み!
*桐野夏生『抱く女』あたしの居場所はどこにある?心揺さぶる青春小説
Love, まっこリ〜ナ
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