今日のカフェボンボンの本棚は、『緑の毒』。
桐野夏生が人の心の闇をえぐる小説。果てしない欲望とは、底なしの邪心とは?
『緑の毒』
著者:桐野夏生
出版社:KADOKAWA
開業医・川辺は水曜の夜に豹変する。医者の仮面と白衣を脱ぎ捨て、黒づくめの服に身を包む。夜の街を彷徨い、昏睡レイプを繰り返す。
川辺の邪心をあおるのは、妻カオルへのどす黒い嫉妬心。美人女医のカオルが同僚の医者と浮気するのが、決まって水曜の夜だったのだ。
冷酷極まる川辺の犯行はエスカレート。体と心に深い傷を負った被害者の女性たちは、卑劣なレイプ犯への復讐を果たそうとするのが……。
著者は川辺の邪心に満ちた内面をじっとりと描く。「自分という人間を成立させるために必要なのは金。他人を羨ましがらせるため、妻を支配するために。そしてもうひとつ、あの邪悪な行為も必要だった」そう言い切る男の膨れ上がる嫉妬とコンプレックスに戦慄します。
一気に引き込まれるダークなストーリー、桐野夏生ワールドにどっぷり浸かってください。
Love, まっこリ〜ナ
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