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同じ町、同じ雨の日の午後を描く5篇。傷ついた心に寄り添う小説集

 

今日の「まっこリ~ナのカフェボンボン」の本棚は、『きみはいい子』

「桜が丘」という町の雨の日の午後を舞台にした、子どもをめぐる連作短篇集。呉美保監督により映画化もされた感動作です。

20170606
きみはいい子
著者:中脇初枝
出版社:ポプラ社

きみはいい子。この言葉がいつまでも心に響く。

愛する人にきみはいい子と言ってほしい。どんなに傷つけられても、振り向いてくれるのを、抱きしめてくれるのを待っている。

ある雨の日の午後。5時になるまで家に帰れず校庭で待つ少年がいる。「ぼくがわるい子だから、おとうさんが怒るんだ。」そうじゃないよと言いたいのにうまく伝えられない大人がいる。

娘を虐待してしまう母親は、体に澱んだ水がたまっていくのを止められない。いいママでいたいのに、幼い娘は何もわるくないとわかっているのに。

誰にも言えない苦しみを抱える家族を描いた5つのストーリー。小さな子どももかつて子どもだった大人も、「きみはいい子」と言ってもらうのを待ち続けているのだと思う。そして、そのひと言を伝えてくれた人の声も笑顔も一緒に、ずっと心に大切にしまっておくために……。

同じ町に暮らす人たちに降りかかる雨が、傷ついた心をやさしく濡らしていきます。雨の日に読むとひときわに心にしみます。

Love, まっこリ〜ナ

***

「まっこリ~ナのカフェボンボン」を読んでくださってありがとうございます。「カフェボンボン」が心ときめく本との出会いの場となりますように。

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小説から絵本まで、編集者が選ぶ”朝読書”におすすめの1冊
Written by

まっこリ〜ナ

編集者・ライター

出版社勤務を経てフリーランスに。図鑑や写真集、子どもの本や雑誌などの編集に携わる。本がくれる愛のチカラを糧に生きる日々。いちばん好きな本の主人公は長くつ下のピッピ。
趣味は草花園芸、編み物、ランニング、スポーツ観戦。

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