今日の「まっこリ~ナのカフェボンボン」の本棚は、『きみはいい子』。
「桜が丘」という町の雨の日の午後を舞台にした、子どもをめぐる連作短篇集。呉美保監督により映画化もされた感動作です。
『きみはいい子』
著者:中脇初枝
出版社:ポプラ社
きみはいい子。この言葉がいつまでも心に響く。
愛する人にきみはいい子と言ってほしい。どんなに傷つけられても、振り向いてくれるのを、抱きしめてくれるのを待っている。
ある雨の日の午後。5時になるまで家に帰れず校庭で待つ少年がいる。「ぼくがわるい子だから、おとうさんが怒るんだ。」そうじゃないよと言いたいのにうまく伝えられない大人がいる。
娘を虐待してしまう母親は、体に澱んだ水がたまっていくのを止められない。いいママでいたいのに、幼い娘は何もわるくないとわかっているのに。
誰にも言えない苦しみを抱える家族を描いた5つのストーリー。小さな子どももかつて子どもだった大人も、「きみはいい子」と言ってもらうのを待ち続けているのだと思う。そして、そのひと言を伝えてくれた人の声も笑顔も一緒に、ずっと心に大切にしまっておくために……。
同じ町に暮らす人たちに降りかかる雨が、傷ついた心をやさしく濡らしていきます。雨の日に読むとひときわに心にしみます。
Love, まっこリ〜ナ
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