今日のカフェボンボンの本棚は、『明日の食卓』。
同じ名前の男の子を育てる3人の母親がいた。愛する我が子に手を上げたのは誰? 息子を殺したのは——。椰月美智子の最新作はリアルで危険な「子育て」小説。一気読み必至です。
『明日の食卓』
著者:椰月美智子
出版社:KADOKAWA/角川書店
日常ははかないもの。一寸先は闇。ほんのささいな出来事がきっかけで歯車が狂いだす。
3つの家庭の子どもの名前はみな同じ「石橋ユウ」。小学校三年生の男の子。母親は専業主婦の石橋あすみ、フリーライターの石橋留美子、シングルマザーの石橋加奈。それぞれ家庭の環境は異なるけれど、いまの暮らしにささやかな幸せを感じていた。なにより我が子を愛していた、はずだったのに。
かわいいユウ。こんなに愛おしいのにどうして? 果たして我が子に手をあげ、一線を越えてしまったのは誰なのか。
苛立ちが暴力の衝動へ変わる不穏な空気に息が詰まるよう。3つの家庭が交互に描かれる展開は息をのむほどサスペンスフルでページを繰る手が止まりません。
ママ友、しつけ、いじめ、虐待などの問題にふれつつ、ままならない子育ての閉塞感をリアルに描き切った一冊。母たちの我が子への愛情の深さが切なすぎて胸が詰まります。
Love, まっこリ〜ナ
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