今日の「まっこリ~ナのカフェボンボン」の本棚は、『森に眠る魚』。
仲良しグループの母親たちの嫉妬心やライバル心に火がついた時——。作家・角田光代が5人のママ友の心理をリアルに描く、母子小説の傑作です。
『森に眠る魚』
著者:角田光代
出版社:双葉社
いったいどこで歯車が狂い出したの。きっとあの人のせい。私はただ子育ての悩みや喜びを分かち合いたかっただけなのに。
東京の文教地区に暮らす5人の母親は、幼稚園や産婦人科で知り合い、急速に親しくなっていく。けれど、小学校のお受験が現実味を帯びてくると、仲が良かった5人の関係に亀裂が生じていきます。
いちばんよくできるのは自分の子のはず。私の子育ては絶対正しいはず。小さな嫉妬や焦りがそれぞれの心のなかでふくれあがって……。
著者は母親が追い詰められていく心理をつぶさに描き出します。家族のために作る料理にさえ彼女たちの心の揺れがにじみ出ていて、たまらない気持ちになる。母親が燃えたぎらせるライバル心に戦慄しながらも、その必死さが痛々しくて。
一気読み必至の傑作小説。読んだ後に深い余韻を残す一冊です。
Love, まっこリ〜ナ
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