今日のカフェボンボンの本棚は、『プリズン・ブック・クラブ』。
重罪犯を収容するカナダの男子刑務所で「読書会」が月に一回開かれている。この会を運営するカナダ人女性ジャーナリストが「読書会」が囚人たちを変えていくようすを描く。胸を打つノンフィクションです。
『プリズン・ブック・クラブ コリンズ・ベイ刑務所読書会の一年』
著者:アン・ウォームズリー/訳:向井和美
出版社:紀伊国屋書店
著者は囚人たちとの読書会をためらっていた。絶対無理。なんといっても相手は薬物売買や銀行強盗や殺人の罪で収監されている受刑者なのだから。しかし、ある日、彼女は勇気を奮って刑務所へ足を踏み入れ、読書会の運営に熱を入れて携わるようになる。
本の登場人物と自身を重ね合わせ、自分の罪や将来、家族について思いをめぐらせるメンバーたち。作品への深い共感が囚人たちを次第に変えていく。
彼らが夢中になっているのはもはや麻薬ではなく書物なのだ——。刑務所内でメンバーが会うと読書の進み具合を尋ね合い、孤立した集団同士が交流するようにもなったといいます。
『サラエボのチェリスト』『怒りの葡萄』『ガーンジー島の読書会』といった課題本のラインナップもこの本の魅力です。自分の意志で参加できる読書会は心が休まる場所だよ。あるメンバーが語った言葉がいつまでも心に残ります。
Love, まっこリ〜ナ
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