今日のカフェボンボンの本棚は、『あたしの一生』。
作家の江國香織が訳した猫小説の傑作が初の文庫化。猫のダルシーが人間と一緒に暮らした17年の愛の年月。ひたむきな愛に心が揺さぶられます。
『あたしの一生 猫のダルシーの物語』
著者:ディー・レディー/訳:江國香織
出版社:小学館
あのひとへの、あたしの愛
それから、あたしへの、あのひとの愛。
ダルシーは飼い主の女性のことを「あたしの人間」とよぶ。彼女と自分のことをいつもこんなふうに思って満足している。
あたしの人間はなにもかもあたしにぴったり。完璧な人間。ふたりでひとつ。あたしの人間がささやく愛の言葉を聞くのが、あたしの一番大切な瞬間、と。
こんなにも揺らぐことのない確かな愛があるかしら。回り道をしないで、言い訳をしないで、まっすぐに愛する人に向き合いたい。そう感じずにはいられない強いパワーを持った物語です。
「ダルシー、あなたは20年もそれ以上も生きるわよね。約束してくれる?」ダルシーは何も約束しない。「つねにいま、この瞬間だけが、あたしから彼女への贈り物」なのだから。
Love, まっこリ〜ナ
*朝読書のすすめ『まっこリ~ナのCafe BonBon』連載一覧はこちらです。
https://asajikan.jp/topics/cafebonbon/
朝読書のすすめ『まっこリ~ナのCafe BonBon』はこちら>>