今日のカフェボンボンは、『ジェニィ』。
猫への深い愛情から生まれたポール・ギャリコの名作をどうぞ。
『ジェニィ』
著者:ポール・ギャリコ/訳:古沢安二郎
出版社:新潮社
ある日、少年ピーターは、事故がきっかけで真っ白な猫に変わってしまう。外に追い出されたピーターは、心優しいめす猫のジェニィに命を救われ、猫の心得やロンドンの町の厳しい環境で生き抜く術を教わっていく。
猫としての生き方にも少しずつ慣れたピーターは、ジェニィと一緒に船に乗り込み旅に出る。しかし、海の上には思いもかけない冒険が待っていて……。
ジェニィにていねいに身づくろいをしてもらうと、ピーターの傷ついたからだも心もすっかり癒されるんです。何より際立つのは、ジェニィの心の優しさ、上品さ、穏やかさ。心乱れるほどジェニィは女としてかわいらしい。
ジェニィがピーターに捧げる献身的な愛情の深さこそ、誰もが恋人に望むものかもしれない。大切な人に自分が与えるより与えてほしいと求めてしまう。でも、ジェニィはそんなことこれっぽっちも望みもしない。だからこそ、読み終わったあとは、よけいに切ないのだと思う。
ピーターとジェニィの「朝時間」は、ふたりで身づくろいをする朝。
やさしい愛撫が言葉より多くのことを伝えてくれます。
同じ著者の『トマシーナ』もおすすめ!傷ついた動物と人間の絆を描いた素晴らしい物語です。
Love, まっこリ〜ナ
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