(この物語は…毎朝のヨガ習慣をはじめてから108日目を迎えた、ヨガが好きなOL 紗季に、久々に起こる、恋と仕事の変化。朝のヨガスタジオで巻き起こる男女のハートフルなラブストーリー。小説のストーリーに合わせ、毎週おすすめヨガポーズをご紹介します。
Week 6は、再び、主人公の紗季がつとめる会社の事務系OLしおりの視点でストーリーが展開します!)
Vol.40 Week 6 「好きなひとに振り向いてもらう7つの方法」 (5)猪突猛進な行動力
真治から連絡のないまま、一週間が過ぎた。
紗季さんと優斗さんは、順調そうだ。2人は、毎朝ヨガのあと、朝ごはんデートに出かけてしまって、わたしはちょっと寂しい。気持ちのよいカップルだ、誰もが祝福したくなるような。
週の3日は、紗季さんが手作りのおにぎりとスープを持ってきていて、1日は、優斗さんが、男朝めしをつくり、1日は朝ごはんがおいしいレストランにいくと決めたらしい。
「しおりも、たまには一緒にいこうね」
笑って誘ってくるのだが、行けるはずがない。
紗季さんの太陽のような笑顔を見ると、真治のことはもう吹っ切れたのだろう。紗季さんを横目で観察しながら、紗季さんと私の違いを考える機会が増えた。
仕事・・・私は一般職、紗季さんは、総合職
服・・・私は赤文字系ファッション、紗季さんはモード系
趣味・・・ヨガ
食べ物・・・私はイタリアン派、紗季さんは和食派
趣味だけが同じで、あとは全然違う。真治さんは、紗季さんのどういうところが好きなんだろう。
相手のことを考えて、最初に考えたことは、相手の好きなひとのことだった。そして、自分に向き合わざるを得なかった。
好きなだけじゃ、ダメなんだよね。
私は、紗季さんになれるわけじゃないけど、何か、わたしらしくて、真治さんが好きなポイントがあるんじゃないかと。
バカな私は、元彼に電話した。
「私のいいところってどこかな?」
「そういうところなんじゃないの?バカ正直なとこ」
「ちょっと答えになってないし、うれしくないよ」
「そういう猪突猛進なところ。考えなし、とも言うけどな」
「それじゃ、私は一生大人の恋愛できない、それって結婚もできないね」
「頭で考えるな。時間が過ぎて経験すれば、勝手に味が出てくるものなんじゃないの?」
「あれ、私たちってなんで別れたんだっけ?」
「もう、電話切るぞ。彼女いるから」
「あ、ごめん、ほんとごめん」
踏み出せていないのは、わたしだけだ。
恋の始まりって楽しいものだと思っていたのに、こんなに自分を見失うものなの?小さい頃から、私はただ、プリンセスに憧れていた甘えん坊だった。
(つづく)
今週のおすすめヨガ「英雄のポーズ(バレエ編)」
Week 6のおすすめは「英雄のポーズ(バレエ編)」。
ヨガの代表的なポーズで、下半身の筋肉を強化し、上半身と下半身をバランスよくストレッチできるポーズです。息を吸いながら、脚の力で地面に根をはり、両手をあげると不思議なことに、パワーが涌いてくるでしょう。
脚の筋肉をしっかり使うことで、美脚やダイエット効果も期待できます。
「英雄のポーズ(バレエ編)」の流れ
- 丹田をしっかり引き上げ、両足でしっかり床を感じながら、まっすぐに立ちます。手はバレエのアン・オーの状態にします。肩をさげ、胸は開きます。
- 右足を後にさげ、左足ひざが90度になるまで曲げます。骨盤は真正面にし、手は胸の前まで上げます。二の腕を外側にひねったような状態で引き上げます。
- 手を頭上に持ち上げます。
- 息をすいながら、腰からではなく、胸から後方に反ります。
- (番外編)前方に出ている足のひざに向かって、手を下ろします。少し前傾し胴体をひねります。
(この小説は毎朝4時更新です。続きはまた明日!)
★この物語の登場人物
新城紗季(しんじょうさき/30歳)プロダクトブランド販売会社のマーケティング部につとめる。この物語の主人公。
アレクサンドル・ハミルトン(アレックス)(38歳)フランス系アメリカ人。ヨガスタジオを経営。
相場優斗(あいばゆうと/38歳)外資系投資銀行の行員。
桜井真治(さくらいしんじ/35歳)紗季と同じ会社でニューヨーク店勤務。紗季の元恋人。
東谷しおり(ひがしやしおり/25歳)ヨガ仲間のひとりで、紗季の会社の事務系OL。