今日のカフェボンボンの本棚は、『カネを積まれても使いたくない日本語』。
脚本家の内館牧子がヘンな日本語に喝を入れる。タレントやキャスター、政治家の言葉、接客敬語などを例にとり、最近の言葉づかいの傾向を読み解いていく。
『カネを積まれても使いたくない日本語』
著者:内館牧子
出版社:朝日新聞出版
「おコート様のほうと、おバッグ様のほう、お預かり致します」「お示しをさせて頂いてございます」
「お」や「様」も「ございます」こんなに連呼されたら逆効果。ふつうの言葉で話してほしい。「さん付け」の多用もちょっと違和感。社名や職業にはじまり、会社さん、利用者さん、年配さんと、なんでも「さん」だらけ。
著者が最近の言葉づかいの傾向から感じ取るのは、過剰なへりくだりと過剰な気づかい。「〜かな」「感じ」「ある意味」など断定回避の言葉は、言質をとられたくないという心理から。過剰な気づかいやあいまいな言葉づかいが、今の時代の生きにくさを浮かび上がらせる。
ヘンな言葉や口調で無意識に話していないか見直すきっかけにしたい一冊。「相手を十分に思いやる心は貫きながら、断言すべきは断言する。その方が、ずっと伝わる。」内館さんの率直な言葉が心に響きます。
Love, まっこリ〜ナ
*朝読書のすすめ『まっこリ~ナのCafe BonBon』連載一覧はこちらです。
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