次に紗江のトークを選択して
「2kgまた減量成功したから、裕太を今日ご飯に誘ったよ。ルールにしてたから!でもこれで最後にするね」
とカジュアルに。
紗江とは友達でいたいから。そして、紗江のがんばりを支えてきたのは裕也だから。
まだ、2人は終わってなかった。
それだけのこと。後から入り込んだのは私の方だ。
大好きな石畳の街。
少し季節を先取りしたブーツでコツコツと音を鳴らしながら歩く。
秋の晴れた日のブルーが一番好きだ。
ここへ来るのも久しぶり。木目の看板に小さなイルカと、筆記体で店の名前が刻まれている。
カラン
コロン。
今日は、扉を開ける音が清々しい。
そこにある1人の影。
(この小説は、毎朝4時更新です。続きはまた明日!)
物語の登場人物
佐藤奈美(30)特許取得を専門とする弁理士事務所に勤める事務員。
結城紗江(30)中堅劇団の舞台女優。奈美と大学サークルの同期。
森野由加利(30)投資銀行に勤めるキャリアウーマン。奈美と大学サークルの同期。
近藤安子(30)専業主婦。一児の母。奈美と大学サークルの同期。
遠野裕也(30)紗江の大学時代の恋人。
伊藤慶太(34)奈美の行きつけの美容室のスタイリスト。