今日のカフェボンボンは、ホラー短編集『八月の暑さのなかで』。
英米の怖いストーリーが13編。真夏の読書にふさわしい本でお楽しみください。
『八月の暑さのなかで—ホラー短編集』
編訳者:金原瑞人
出版社:岩波書店
じっとりとした暑さがふいに冷気に変わる、そんな怖さが待っている。
本書は、エドガー・アラン・ポーやサキ、短編の名手フレドリック・ブラウンや『チョコレート工場の秘密』のロアルド・ダールの作品など、英米の怖くて不気味な物語を集めたアンソロジー。怖い話が大好きという翻訳家の金原瑞人氏が、中学生以上の読者のために選び、新しく訳しました。
フランク・グルーバーの「十三階」は、デパートのエレベータが買い物にきた主人公を不吉な十三階に運ぶ不気味な話。アメリカの古い百貨店は、いかにもいわくありげな雰囲気が漂う。
ロアルド・ダールの「お願い」は、子どもの恐怖心を見事にとらえた異色作。小さな男の子が、じゅうたんの模様を燃える石炭や毒へびに見立てて、とても恐ろしい思いをする。
子どもの頃、天井の模様や窓に映る影におびえた経験はあるし、今でもはっとさせられることがあるんだけれど、エキゾチックなじゅうたんには意表を突かれました。さすがロアルド・ダールです。
怖さのテイストはいろいろ。風味、冷たさ、後味と、じっくり味わって。
本のお供には、ライチジュースをいかがでしょう。ひんやり冷たい果肉の甘さが、ほてった体を冷ましてくれます。
Love, まっこリ〜ナ