この闇は夢かうつつか。
『夜は短し歩けよ乙女』『四畳半神話体系』などで知られる森見登美彦が、古都の暗闇にひそむ魔、妖しい幻を紡ぐ奇譚集です。
『きつねのはなし』
著者:森見登美彦
出版社:新潮社
京都の骨董店を舞台にした物語が、摩訶不思議な世界に読者を誘い込む。4篇の奇譚集は時や空間を超えて少しずつ重なり合っている。
なかでも表題作の「きつねのはなし」は深い余韻を残す。狐面の男との奇妙な取り引きや、夢とも現実とも知れない幻燈の妖しい世界は、京の都の暗闇にならばあってもおかしくはない、そんな気がする。
きらびやかな町のすぐ裏にある濃い闇に少しだけ近づいた。こわい話が無性に読みたくなる夏の夜。もっと先の方、奥の方にある闇に近づいて、その正体を見てみたい。
Love, まっこリ〜ナ
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