毎朝、小1の頃から学校への見送りをしていた男の子が、6年生になる前に引っ越していきました。夏は虫探し、冬は霜柱を踏んで道草してた男の子。何度も振り返って、こちらがまだ見ているのを確かめてた。その子が引っ越し先の住所を自分で書いて渡してくれました。
『お引越し』の主人公の少女も11歳。男の子と重なります。
『お引越し』
著者:ひこ・田中
出版社:福音館書店
レンコのお父さんがひとりで引っ越しをした。両親が離婚して、何もかもガラリと変わった。父さんがいなくなったらガッコに行くのだって緊張する。
あたしのせい? バーカ。キライ。そんな気持ちをレンコはちゃんと受け止める。京阪電車のあっちとこっちにある私のおうち。家がふたつになったのは楽しそうだって思うの。
京都を舞台にした、まっすぐで多感な少女と家族の物語。素敵な大人たちが出てきます。とくにワコさん!
挿画は奈良美智さん。少女の気持ちが瞳からあふれそうです。物語を読みながら、何度もこの子と見つめ合ってしまった。
Love, まっこリ〜ナ