今日のカフェボンボンは、愛の本質を描いた詩のように美しい物語を。ポール・ギャリコの『雪のひとひら』をお届けします。
『雪のひとひら』
著者:ポール・ギャリコ/訳:矢川澄子
出版社:新潮社
冬のある日、冷たい空の高みで生まれた雪のひとひらは、はるばると地上に舞い降りて、バラ色の暁の光に照らされたこの美しい世界を初めて目にします。山から村へ、谷から川へ。雪のひとひらの旅の始まりです。
旅の途中で出会った雨のしずくとの出会い。雪のひとひらは、愛する人の思いやりに、あたたかい幸せな思いに包まれます。つらい状況にあるとき、気づかってくれる人がいることを知ってほっとする、あの気持ちです。
雪のひとひらのからだは、清らかに輝く幾千の水晶。花やレース、ダイアモンドのようでもあるけれど、ほかの誰にも似ていない。何よりも雪のひとひら自身なのです。旅の終わりの安らかに満ち足りた心のありように、深い感動が押し寄せます。
雪のひとひらの「朝時間」は、生まれて初めて見た日の出。朝日はあたり一面をバラ色に染めていきます。
クリスマスで賑わう時期だけど、本当はひとりぼっちでさみしいとき、チクチクとした不安や生きることへの漠然とした怖れを感じるときに、どうぞこの本を手にとってみてください。
本のお供には、淡い雪のようなスノーボールクッキーをいかがですか。粉砂糖をまぶしたまるいクッキーは、冬のイメージにぴったりのお菓子です。
ポール・ギャリコの名作『トマシーナ』もおすすめです。
Love, まっこリ〜ナ
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