今日のカフェボンボンは、『点子ちゃんとアントン』。
ドイツが生んだおてんば娘・点子ちゃんと、お母さん思いの勇敢な少年アントンの友情物語。『飛ぶ教室』や『エーミールと探偵たち』で有名なエーリヒ・ケストナーの名作です。
『点子ちゃんとアントン』
著者:エーリヒ・ケストナー/訳:池田香代子
出版社:岩波書店
点子ちゃんは裕福な家庭のひとり娘。お父さんは会社の社長さんですし、大きなお屋敷には、住み込みのメイドさんや養育係の女性までいるのですが、家では点子ちゃんはいつもひとりぼっち。
くせ者の養育係が夜な夜な点子ちゃんを連れて家を抜け出しても、両親は忙しすぎて気づかない。このお話は、ちょっとさびしい思いをしている点子ちゃんと大人たちの家族の物語でもあります。
点子ちゃんと対照的な環境にあるのが友だちのアントンです。小さなアパートに住んで病気のお母さんの看病をしながら学校に通っています。毎日ご飯を作り、夜も働いて家賃を払う。けんかも強くていつだって点子ちゃんをかばってくれるんです。こんな健気でかっこいい男の子いるかしら。
そんなアントンがピンチになった時、点子ちゃんも彼のためにひと肌脱ぐの。アントンにわからないようにこっそりね。自分がしたことを本人に知ってもらいたいなんてちっとも思わないの。
作者のケストナーは「みんなひとりひとりが、友だちが知らないところで、その友だちのためにひと肌脱ぐめぐりあわせにめぐまれるよう、願っている」と書いています。いい言葉ですね! 勇敢で友だち思いの点子とアントン。読むたびにふたりの友情に胸が熱くなります。
本のお供には、この物語が生まれたドイツのお菓子、バウムクーヘンはいかがでしょう。映画版もすごく楽しくて映像も美しい作品なので、機会があったらご覧になってみてください!
楽しい日曜日を!
Love, まっこリ〜ナ
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