河瀬直美監督の「朱花の月」を観ました。
万葉歌に詠われた恋話に、現代の男女の物語を重ねたストーリー。
舞台は河瀬監督の出身地、奈良。
飛鳥地方と敢えて言われると不思議な感じがする。
ことに現地の人は飛鳥の文化を愛してさえいて、
昔と変わらぬ時間を過ごしているようなのだから。
共感を持ったのは、監督の、
「いつの時代もメディアや情報は、特異なもの目新しいものをピックアップし、そうして歴史に残っていくものは、ほんの一部だが、今回わたしは、そういったものからは抜け落ちてしまったけれど、その時代を懸命に生きた人の物語を紡いだ。」
という作品に対するコメント。
ヨガの世界でもよく言われることだが、
ヨガの聖者として崇められなくても、
ヨガの境地を生きている人はたくさんいるということ。
カイラシ山に行けば、
誰にも知られず黙々と修行をしているヨガ行者は数えきれないくらいいるし、
ヨガを知らなくても自由を得て、日々笑顔を絶やさず、すべてを受け入れ、
慈愛で満たし、優しさを分け与えるような、光り輝く人は世の中にふと存在することがある。
有名にならなくても、偉くならなくても、評価されなくても、
日常の中にこそ、真実は埋もれている気がしてならないので、監督の言葉に共感しました!
そういった埋もれてしまう日常の真実を紡ぐのが芸術なんでしょう。
政治経済活動と同じくらい、芸術活動はいつの時代にも大事だなー思いました。
朱花の月
11月にDVDが発売されます!