自分らしく心地よい朝時間を楽しんでいる方にお話をきく、朝美人インタビュー。今回は、新刊『心と体をととのえる 玄米菜食ごはん』が話題の鈴木愛さんです。
映画やCMの衣装の仕事を経て、食の世界へと転身した鈴木さん。現在は、自然豊かな安曇野を拠点に、季節の恵みを大切にした食と暮らしを実践されています。
今回は、そんな鈴木さんの穏やかで整った朝の過ごし方や、朝ごはんのこだわり、リセット方法についてお話を伺いました。
鈴木 愛さん(冬草主宰/ホリスティックリトリート穂高養生園 料理人)
1980年生まれ、東京都出身。映画やCMなどの衣装の仕事を経て食の世界へ。都内自然食レストランや、和食店で調理を学ぶ。2010年から安曇野に移住し、ホリスティックリトリート穂高養生園に勤務。自然に根ざした野菜の調理法を学び、季節をベースとした食と体の結びつきを深く意識する。生きる力が伸びるような食を、という思いを持って「冬草」の名で活動をはじめる。東京・表参道にて不定期で「ととのえるスープの日」を開催。
Instagram:@uyukusa.ai
鈴木さんの普段の朝時間の使い方について教えてください。
【平日】
朝起きたらまずお湯を沸かします。1日分のお茶を朝にまとめてポットに用意していて、三年番茶かはと麦茶を、季節やその日の気分に合わせて選んで淹れています。
最初に口にするのは、白湯に梅酢を少し加えたものを。体が重く感じたり頭がぼーっとする時は、干し椎茸と梅干しを煮込んだスープを飲むこともあります。
それから軽くストレッチ、朝食の準備、身支度をととのえて仕事へ行きます。
【休日】
目覚ましをかけずに、起きたい時間に起きています。早く目が覚める時は早朝から動きますし、ゆっくり寝ていることもあります。できるだけ体の状態に任せるようにしています。
平日と同じように白湯に梅酢を入れて飲んで、休日はゆっくり朝食の時間をとります。普段できないところの掃除や大物の洗濯、スープをまとめて作ったり、家の中のことで体を動かしたりしているうちにお昼頃になっています。休日の朝は、主に身の回りをととのえる時間になっています。
欠かせない朝の習慣があれば教えてください。
できるだけ朝を軽やかに心地よく過ごしたいと思っているので、前日の寝る前の時間を大切にしています。例えば、夕食は19時前にとるように心がけたり、湯船にゆっくり浸かって軽くストレッチをして体を冷やさないようにして布団に入ったり。そして、どうしても忙しい時は難しくもありますが、できれば22時前に眠るようにしています。
数年前までは、時間に関係なく仕事のことを考え、緊張状態が続くこともよくありました。緊張とリラックスのメリハリをつけて過ごすようになってから、朝の時間をとても気持ちよくスタートできるようになり、1日を健やかに過ごせることも増えてきました。
朝ごはんで特に大切にしていることや、最近のお気に入りメニューがあれば教えてください。
基本的に朝ごはんはちゃんと食べるようにすること。ただ、忙しい時間にしたくないので決まったものを用意して、できるだけシンプルな工程で進められるようにしています。
- 作り置きしている野菜のスープに豆やお肉、魚などタンパク質と季節の野菜を加えたもの
- 主食(玄米、お餅、パンなど)
- 卵(ゆで卵か目玉焼き)
これが基本になっていて、その日の体調や気分で少しずつ変えています。また、冬から春にかけてはお粥をまとめて作り、常備してよく食べていました。
忙しい朝や気分が乗らない日を乗り切る工夫や、リセット方法を教えてください。
こまめに体を動かすようにします。血流がよくなると体も心もすっきりします。掃除などの家事は体も動かしながら環境も整うのでリセットするには良い方法だと思っています。
また、体が冷えていると、心身ともに滞りを感じることがあるため、時間のあるときには夜に限らず湯船に浸かって温まり、少しでも横になると楽になります。
これから朝時間でやってみたいこと、季節ごとの楽しみなどを教えてください。
気持ちの良い季節になってくるので、外で朝食をとりたいです。私の住んでいるところは森が多いので、新緑の中を散歩するのも楽しみです。
朝のマイルールを教えていただけますか。
忙しくなりそうな日の朝でも、ひと呼吸おけるような時間を作ります。食事をよく噛んで食べるようにしたり、ストレッチをしっかりしたり。一つ一つの動きを丁寧にするように気をつけると、その後の仕事の仕方や人との接し方も変わるような気がします。
“焦っている自分”を客観的に観ながら行動できると、失敗も少なくなります。また、料理の仕事の際にエプロンと手拭いにアイロンをかける時間は、心を落ち着ける大切なひとときでもあります。