朝読書におすすめの本をご紹介する『まっこリ~ナのCafe BonBon』。小説やエッセイ、暮らしや料理の本など心に効く本をセレクトしています。
今日の「まっこリ~ナのカフェボンボン」の本棚は、『文豪お墓まいり記』。
以前、カフェボンボンでご紹介した本が文庫化されました。作家の山崎ナオコーラが26人の文豪に会いに行く。太宰治、谷崎潤一郎、永井荷風、夏目漱石、幸田文、森茉莉、有吉佐和子らのお墓まいりを綴ります。文学案内としても楽しめるエッセイをぜひ。
『文豪お墓まいり記』
著者:山崎ナオコーラ
出版社:文藝春秋
幸田文の墓で、著者は「愛読しております」とお辞儀をし手を合わせる。その人に合った花を選び、作家の人生と作品に思いを馳せながら会いに行く。そして、お墓の前で憧れの作家たちと心を通わせます。
高校生の頃、著者は澁澤龍彦の作品に夢中になった。北鎌倉にあるお墓を訪れた時、山崎さんは十代の頃からの思いのたけを作家に伝えます。小さな赤ワインも供えて……。
お墓まいりの道中の描写が楽しく、そのときの著者の気分が伝わってきます。夫とふたりでのんびりおにぎりを食べたり、あったかい甘いうどんで腹ごしらえをしたり。内田百閒のお墓の前で、赤ちゃんが眠ってしまった。そんなエピソードもほほえましい。小さな旅のようなお墓まいりに出かけてみたくなります。
大阪に行った時には、小説家の津村記久子さんと織田作之助のお墓へ。若くして亡くなった作家の墓の前で、著者はこんなふうに思う。「私たちは、昔の作家のようではなく、長生きしながら文学をやっていけるといい」。この言葉、胸にしみました。これからも墓まいりを続けていきたいという山崎さん。いつか世界中の文豪のお墓まいりにも出かけたいそうです。そのときはまた、どんな旅の話が聞けるのか楽しみです。
ラブ&ピースな一日を。
Love, まっこリ〜ナ
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