朝読書におすすめの本をご紹介する『まっこリ~ナのCafe BonBon』。小説やエッセイ、暮らしや料理の本など心に効く本をセレクトしています。
今日の「まっこリ~ナのカフェボンボン」の本棚は、『そのへんをどのように受け止めてらっしゃるか』。
エッセイスト・イラストレーターの能町みね子が、流行語や有名人の発言の「言葉尻」をとらえて鋭く分析。「週刊文春」の人気コラムの連載をまとめたシリーズ3冊目、新刊です。タイトルになっている記者の言葉をはじめ、芸能人やスポーツ選手、政治家の気になるひとことまで、83ワードが登場します。日頃のモヤモヤが解消します。
『そのへんをどのように受け止めてらっしゃるか』
著者:能町みね子
出版社:文藝春秋
能町さんにお尻をとらえられた言葉たちはきっと、痛いとこつかれた!と思っているのではないでしょうか。
「高輪ゲートウェイ」もそのひとつかもしれません。山手線の新駅名の選考前から著者は「キラキラ感やひらがなカタカナ感を盛り込んだ長い駅名になる」と鋭く予想し、「なんとかゲートウェイ駅」を候補に挙げ「嫌な予感」を的中させました。駅名・地名マニアの著者は、土地の歴史を大切にした駅名をと望んでいたのですが……。
今になって振り返れば、少し前に話題になった言葉についての指摘が、怖いほど当たっていることがよくわかります。駅名についてもそうですが、著者が大好きなものにまつわる言葉のとらえ方、いじり方はとくに面白い。生き様をさらけ出した女の人に惹かれるという能町さん。「私は、強気でわがままに見えても繊細さが隠しきれないこんな女の人の生き様を見守り続けずにはいられないのよ」という言葉に愛を感じます。
著者の趣味である相撲関係の言葉もたくさん取り上げられています。入院・リハビリ中の曙をかつてのライバルだった若乃花が見舞ったときに、曙が言った「お疲れ様です」。稀勢の里の引退会見の時のフレーズ「私の土俵人生において一片の悔いもございません」。
その人がその状況で発したからこそ心に届く言葉。能町みね子は「言葉尻」をとらえるだけでなく、誰かの言葉が輝くときを見逃さない。
能町みね子さんの本、こちらもぜひどうぞ。
*『お家賃ですけど』
*『逃北』
ラブ&ピースな一日を。
Love, まっこリ〜ナ
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