朝読書におすすめの本をご紹介する『まっこリ~ナのCafe BonBon』。小説やエッセイ、暮らしや料理の本など心に効く本をセレクトしています。
今日の「まっこリ~ナのカフェボンボン」の本棚は、『今日はヒョウ柄を着る日』。
ノンフィクション作家の星野博美のエッセイ集。東京の下町・戸越銀座界隈での日々を独特の感性でつづります。
『今日はヒョウ柄を着る日』
著者:星野博美
出版社:岩波書店
下町情緒あふれる商店街に、いつの頃からかヒョウ柄をまとうおばあさんたちが出現していた。「ヒョウ柄」にとらわれるようになった著者は、彼女たちを「ヒョウ柄戸越銀座派」と名付け、日々観察し続ける。
なぜヒョウ柄を選ぶのか。著者はやがてそれは一種の「武装」なのではないかという答えにたどり着く。女性たちはヒョウ柄を身にまといつつ「さあ、今日も生きるぞ」と戦闘態勢に入るスイッチをいれる。都会の片隅でタフに果敢に生き抜いていくために——。
たしかに、おばあさんたちのヒョウ柄は、都会暮らしの生きづらさを映すものなのかもしれません。だけど、気合を入れたおばあさんたちは、なんだかかっこいい。今日という日を乗り越えるためにヒョウ柄を着て、堂々と商店街を闊歩する姿が目に浮かびます。
著者は日常のままならないことも、ありのまま受け入れる。受け入れたうえで突き詰めて考えていく。両親の老いについての受け止め方も心にしみました。
思い通りにいかないときも、目をそらさずにいこうと思えます。今日はヒョウ柄を着る日。この言葉を口にすると、お腹にぐっと力が入ります。
ラブ&ピースな一日を。
Love, まっこリ〜ナ
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