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お互いの名前も過去も知らない。離島で共同生活を送る女性たちの物語

朝読書におすすめの本をご紹介する『まっこリ~ナのCafe BonBon』。小説やエッセイ、暮らしや料理の本など心に効く本をセレクトしています。

今日の「まっこリ~ナのカフェボンボン」の本棚は、『彼女たちが眠る家』

人気作家・原田ひ香がネット社会で傷ついた過去をもつ女性たちを題材に描く、心に迫る一冊です。『虫たちの家』を改題した作品です。


彼女たちが眠る家
著者:原田ひ香
出版社:光文社

ある共通の過去から逃れ、九州の離島でひっそりと共同生活をする女性たち。彼女たちの居場所はグループホーム「虫たちの家」。お互いを昆虫の名前で呼び合い、厳しい掟に縛られて生きています。「テントウムシ」と呼ばれる主人公も、つらい過去から逃れてきたひとりです。

この家では本当の名前を名乗ることはない。お互いの過去を想像することも禁止されています。その理由は、誰かに本名を知られると「検索」されるかもしれないから。「ここで生きていくしかない。他にどこにも居場所はない」彼女たちにとって、グループホームが心の拠り所、島の暮らしが人生のすべてなのです。だから、あえてメンバーの名前も過去も知らないほうがいい。インターネットにさらされすべてを失った女性が、島で一緒に暮らしながら自分を取り戻していこうとしています。

そんなとき、ある母娘が「虫たちの家」にやってきます。すぐに島の噂になる美しく奔放な高校生の娘「アゲハ」。やがて、娘が規律を破っていることに気づいたテントウムシは……。静かな日常が脅かされたとき、彼女に何ができるのか。平穏な生活を守るため、自分たちにとっての唯一の場所「虫たちの家」でずっと暮らしていくために。

グループホームの女性たちの過去と現在が描かれるなか、心身ともにぼろぼろになった彼女たちが癒されてほしい、そして、一歩踏み出した先には新しい世界が広がっていてほしいと願いつつ読みました。

原田ひ香さんの本、こちらもぜひどうぞ。
『ギリギリ』
『アイビー・ハウス』
『彼女の家計簿』

ラブ&ピースな一日を。
Love, まっこリ〜ナ

「まっこリ~ナのカフェボンボン」を読んでくださってありがとうございます。「カフェボンボン」が心ときめく本との出会いの場となりますように。

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小説から絵本まで、編集者が選ぶ”朝読書”におすすめの1冊
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まっこリ〜ナ

編集者・ライター

出版社勤務を経てフリーランスに。図鑑や写真集、子どもの本や雑誌などの編集に携わる。本がくれる愛のチカラを糧に生きる日々。いちばん好きな本の主人公は長くつ下のピッピ。
趣味は草花園芸、編み物、ランニング、スポーツ観戦。

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