今日の「まっこリ~ナのカフェボンボン」の本棚は、『屋上がえり』。
人気作家・石田千が、デパート、病院、大学、古書店など、さまざまな場所の屋上にのぼる。屋上で出会ったひとたちや見下ろす街の風景を味わい深い筆致でつづります。
『屋上がえり』
著者:石田千
出版社:筑摩書房
遊園地のあるデパートの屋上も、カラフルな洗濯物がはためく屋上も、青空がすごく近いのにせつない。
著者の石田千さんは、「屋上で会ったひとには、また会えそうな気がする」という。この言葉にほろり。屋上のひとたちを眺めるまなざしがあたたかい。屋上はやっぱり、ちょっと泣きたいような気持ちがするところです。
下町の百貨店の屋上で、のんびりくつろぐ家族連れやカップルを観察したり、夕涼みをしたり。新宿の書店の屋上にのぼった石田さんは「見渡す景色に、地面がない」と気づく。かつて住んでいた団地の屋上で、ひとりしんみりとする。
建物のてっぺんで、いろいろに視点を変えて眺めていると、空に少しだけ近づいた気がして深呼吸したくなる。この季節、屋上からの雪景色を想像しながら読むのもオツですね。
屋上をめぐる本、こちらの写真集もぜひどうぞ。
*『東京屋上散歩』
Love, まっこリ〜ナ
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