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この痛みなら知ってる。37通りの恋愛ストーリー集『真夜中の果物』

 

今日の「まっこリ~ナのカフェボンボン」の本棚は、『真夜中の果物』

恋にまつわる37通りのシーンを描いた、人気歌人・加藤千恵の恋愛小説集。物語に添えた短歌には、恋のエッセンスが詰まっています。

20170413
真夜中の果物(フルーツ)
著者:加藤千恵
出版社:幻冬舎

恋にまつわるいくつものシーンが、まるでデジャヴのようでクラっとした。その気持ちならよく知ってる。気まずさもせつなさも、のみこんでしまった言葉も。「窓からの光がまぶしいせいにする うまく前へと進めないのは」こんな短歌がすっと心に入り込んでくる。

元彼とバッタリ会ってしまった。そんなバツが悪い場面を描く「三年半ぶり」。彼の隣には可愛らしいワンピースが似合う彼女がいる。私より彼のほうが困った顔になっていたのがちょっと悔しくて……。

ままならぬ恋の話「まるわかり」。今日飲みに行かない?とメールが届けば、私の指は既にいいよと返信を打ち込んでいる。彼女とうまくいっていない時だけ誘ってくるとわかっているのに。さまざまな恋の景色が心に刻まれていく。

コンビニの店員さんへの一目惚れを描いた物語には、甘い短歌が添えられています。恋がはじまる予感に胸がきゅんとします。

いちご味とオレンジ味で悩んでるふりをしながら恋に悩んでる(「一目惚れ」より)

Love, まっこリ〜ナ

***

「まっこリ~ナのカフェボンボン」を読んでくださってありがとうございます。「カフェボンボン」が心ときめく本との出会いの場となりますように。

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小説から絵本まで、編集者が選ぶ”朝読書”におすすめの1冊
Written by

まっこリ〜ナ

編集者・ライター

出版社勤務を経てフリーランスに。図鑑や写真集、子どもの本や雑誌などの編集に携わる。本がくれる愛のチカラを糧に生きる日々。いちばん好きな本の主人公は長くつ下のピッピ。
趣味は草花園芸、編み物、ランニング、スポーツ観戦。

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