今日の「まっこリ~ナのカフェボンボン」の本棚は、『真夜中の果物』。
恋にまつわる37通りのシーンを描いた、人気歌人・加藤千恵の恋愛小説集。物語に添えた短歌には、恋のエッセンスが詰まっています。
『真夜中の果物(フルーツ)』
著者:加藤千恵
出版社:幻冬舎
恋にまつわるいくつものシーンが、まるでデジャヴのようでクラっとした。その気持ちならよく知ってる。気まずさもせつなさも、のみこんでしまった言葉も。「窓からの光がまぶしいせいにする うまく前へと進めないのは」こんな短歌がすっと心に入り込んでくる。
元彼とバッタリ会ってしまった。そんなバツが悪い場面を描く「三年半ぶり」。彼の隣には可愛らしいワンピースが似合う彼女がいる。私より彼のほうが困った顔になっていたのがちょっと悔しくて……。
ままならぬ恋の話「まるわかり」。今日飲みに行かない?とメールが届けば、私の指は既にいいよと返信を打ち込んでいる。彼女とうまくいっていない時だけ誘ってくるとわかっているのに。さまざまな恋の景色が心に刻まれていく。
コンビニの店員さんへの一目惚れを描いた物語には、甘い短歌が添えられています。恋がはじまる予感に胸がきゅんとします。
いちご味とオレンジ味で悩んでるふりをしながら恋に悩んでる(「一目惚れ」より)
Love, まっこリ〜ナ
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