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心に効く小説『院内カフェ』人々にそっと寄り添うカフェがあります

 

今日のカフェボンボンの本棚は、『院内カフェ』

ある総合病院の傍らに人々にそっと寄り添うカフェがあります。いつも変わらぬコーヒーの香りとぬくもりに癒される物語をどうぞ。

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院内カフェ
著者:中島たい子
出版社:朝日新聞出版

ここは大きな総合病院のロビーにあるカフェ。入院患者や見舞い客、医師や看護師、日々さまざまな人たちが集う。そして「病院であることを忘れさせるほど」普通のカフェでもある。

アルバイト店員の亮子は、カフェで起こる出来事をカウンターの内側から見つめている。病院内にあっても管轄下ではないから、カフェを訪れる人は患者ではなくお客さん。

点滴スタンドやカテーテルの管を引きずる土色の顔をした人にも、フラペチーノのLサイズを笑顔で差し出す。けれど心に迷いのある亮子はプロの接客ができなくて……。

そんなカフェをめぐる人間模様を中島たい子が鮮やかに描き出す。心細さと不安を抱えた人たちが院内カフェで癒されるのは、ここが病院の傍らにあるから。病院のエリアと外との境界線に、日常と変わらぬ時間が流れていることに心安らぐのかもしれません。それはほんの一時かもしれないけれど。

誰もがいつでも入れるように病院に寄り添う院内カフェ。コーヒーの香りと白いマグが迎えてくれます。

Love, まっこリ〜ナ

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小説から絵本まで、編集者が選ぶ”朝読書”におすすめの1冊
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まっこリ〜ナ

編集者・ライター

出版社勤務を経てフリーランスに。図鑑や写真集、子どもの本や雑誌などの編集に携わる。本がくれる愛のチカラを糧に生きる日々。いちばん好きな本の主人公は長くつ下のピッピ。
趣味は草花園芸、編み物、ランニング、スポーツ観戦。

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