今日の「まっこリ~ナのカフェボンボン」の本棚は、『雪と珊瑚と』。
梨木香歩が滋味あふれる食べものを通して描く心温まる小説。21歳のシングルマザーがさまざまな人に支えられながら、心と体にやさしい惣菜カフェを開くまでを描きます。カフェ好きな方にもオススメの一冊です。
『雪と珊瑚と』
著者:梨木香歩
出版社:KADOKAWA/角川書店
母親の名前は珊瑚、娘は雪。そして、珊瑚がオープンさせるカフェの名は「雪と珊瑚」。
「赤ちゃん、お預かりします。」古い一軒家の小さな貼り紙を珊瑚が目にしたところから物語は始まる。雪を抱えて頼る人もなく途方に暮れていた珊瑚は、年配の心優しい女性くららに雪を預ける決心をする。料理好きなくららが作るおいしい食べものが母娘に生きる力を呼び戻す。
やがて、人の心と体にやさしいお惣菜カフェを開きたいと願う珊瑚。その夢が人と人とを次々とつないでいく。たったふたりきりで生きてきた母娘の世界も外に開かれ色鮮やかに輝いていきます。
修道院で暮らした経験を持つくららの料理は、外国のレシピ本を読んでいるかのよう。栄養たっぷりのスープや具だくさんのおかずケーキが、母娘の明日の元気を作ってくれる。食べることは生きることだとあらためて感じる小説です。
珊瑚と雪の「朝時間」は、小さな玉ねぎのスープ。あっさりとおいしい、体を芯から温めてくれる一皿です。
Love, まっこリ〜ナ
***
「まっこリ~ナのカフェボンボン」を読んでくださってありがとうございます。「カフェボンボン」が心ときめく本との出会いの場となりますように。
*朝読書のすすめ『まっこリ~ナのCafe BonBon』連載一覧はこちらです。
https://asajikan.jp/topics/cafebonbon/
朝読書のすすめ『まっこリ~ナのCafe BonBon』はこちら>>