今日のカフェボンボンの本棚は、『結婚式のメンバー』。
村上春樹が愛する小説を自ら訳した、カーソン・マッカラーズの傑作。南部の田舎町を舞台に多感でエキセントリックな少女の心理を鮮烈に描いた物語です。
『結婚式のメンバー』
著者:カーソン・マッカラーズ/訳:村上春樹
出版社:新潮社
緑色をした夏。それは12歳の少女フランキーが「結婚式」に恋した日々だった。
彼女はその夏いつも台所にいた。女料理人と従弟と過ごす退屈な午後、少女は兄の結婚式だけを待ち焦がれていた。
思いは募り結婚式が終わっても街に戻りたくないと願い始めるフランキー。ずっとそのまま永遠にどこかへ行ってしまえたらいいのに。人生を変えたいと夢見る彼女は、狂おしさのあまり突飛な行動に出て……。
大人になりかけの少女の不安定で繊細な心が息をのむほど鮮やかに描かれる。わたしがわたし以外の人間であればいいのにな。そうつぶやく声が緑色に染まった夏の空に吸い込まれていく。
心揺さぶられる小説を素晴らしい訳で読む体験をぜひ。この夏、イチオシの海外小説です。
Love, まっこリ〜ナ
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