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宮城まり子が選ぶ 吉行淳之介短編集

 

今日のカフェボンボンは、吉行淳之介の短編集を。

12篇を選んだのは、長年の伴侶であった宮城まり子さん。愛の表現が一冊の本になりました。

20140528

宮城まり子が選ぶ 吉行淳之介短編集
著者:吉行淳之介/編者:宮城まり子
出版社:ポプラ社

久しぶりに読む吉行淳之介の小説は鮮烈だった。私も少し大人になって、吉行作品の本当の面白さがわかってきたのかもしれない。

いつしか本気で娼婦を愛する男の心情を描いた『驟雨』。ラスト近く、ふたりが迎えた朝の光景が強く心に残る。朝の光に彼女が暴き出されるのを企む男と、まぶしさに反射的に掌で顔を覆った女。そのとき、窓の外のニセアカシアの木が一斉に激しく落葉する。それはまるで緑色の驟雨のようだった……。

宮城さんが「序にかえて」に記した一文。“淳之介さん、受けとって下さい。そして、私が選ぶなんてことしたこと、ゆるして下さい。”

この本は愛の証。ひとりの男への深い愛と尊敬の念が強く伝わってきます。

素敵な日本文学と出会える本。
真っ赤な装丁も印象的です。

Love, まっこリ〜ナ

 

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Written by

まっこリ〜ナ

編集者・ライター

出版社勤務を経てフリーランスに。図鑑や写真集、子どもの本や雑誌などの編集に携わる。本がくれる愛のチカラを糧に生きる日々。いちばん好きな本の主人公は長くつ下のピッピ。
趣味は草花園芸、編み物、ランニング、スポーツ観戦。

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