BLOG

粋なカバーの中身は激烈な文学

 

今日のカフェボンボンは、和柄カバーが粋な文庫を!

BONBON257

写真手前は芥川龍之介の『蜘蛛の糸・地獄変』。初期の名作8篇を収めた、文庫本の定番です。

芥川龍之介にタブーはない。人間のギリギリのふちまでのぞいてきた。それを書くために何だってしてやる。作品の人物も書き手も鬼気迫る様相。そう、あの有名な顔写真のとおりなんです。

地獄変の屏風の恐ろしい由来を描いた『地獄変』。地獄絵を描いた絵師の描写は、「吝嗇で、慳貪で、恥知らずで、怠けもので、強欲でー」こんな男が屏風の完成と引き換えにしたおぞましいこととは……。

20140716

蜘蛛の糸・地獄変
著者:芥川龍之介
出版社:KADOKAWA

写真奥は寺山修司の『ポケットに名言を』。寺山修司が選んだ名言集。新柄のカバーが涼し気です。こちらは以前ご紹介した記事「寺山修司の『ポケットに名言を』」をご覧くださいね。

和柄のカバーは10種類。てぬぐい専門店「かまわぬ」と角川文庫のコラボレーションです。粋なカバーの中に秘められた激烈な文学。渋いです。

Love, まっこリ〜ナ

 

この記事を書いた人
Nice to meet you!

朝読書のすすめ『まっこリ~ナのCafe BonBon』

公式ブログ
小説から絵本まで、編集者が選ぶ”朝読書”におすすめの1冊
Written by

まっこリ〜ナ

編集者・ライター

出版社勤務を経てフリーランスに。図鑑や写真集、子どもの本や雑誌などの編集に携わる。本がくれる愛のチカラを糧に生きる日々。いちばん好きな本の主人公は長くつ下のピッピ。
趣味は草花園芸、編み物、ランニング、スポーツ観戦。

連載記事一覧

今日の朝の人気ランキング