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女ごころを描く名手・川端康成の『夕映え少女』

 

今日のカフェボンボンは、川端康成の『夕映え少女』。女の微妙な心理を描きつくした7つの傑作短編集。淡い色の乙女チックなカバーが作品に似合います。

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少女たちの繊細な心理が巧みに描かれた川端康成の世界。可愛らしい装丁とともに「文学少女」の気持ちを味わった。

私がいちばん好きなのは、二組の夫婦の心理を描いた『正月三ヶ日』。友人同士が妻を連れて伊豆に正月旅行をするが、二夫婦がひと部屋に泊まる羽目になる。

妻たちのあけすけなおしゃべりに夫は圧倒され、その言動がそれぞれの夫婦の関係に微妙な変化をもたらす。だんだん「放埒な喜び」まで湧いてくる。夫が友人の奔放な妻にそっと向ける眼差しを見て、激情が込み上げる女ごころが切ない。

これは文学少女の気分だけでは味わえない、大人だからこそ面白さと哀しさもわかる作品だと思う。

海辺の保養地を舞台にした表題作のほか、『むすめごころ』『童謡』など初期の傑作を収めています。

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夕映え少女
著者:川端康成
出版社:新風舎

Love, まっこリ〜ナ

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まっこリ〜ナ

編集者・ライター

出版社勤務を経てフリーランスに。図鑑や写真集、子どもの本や雑誌などの編集に携わる。本がくれる愛のチカラを糧に生きる日々。いちばん好きな本の主人公は長くつ下のピッピ。
趣味は草花園芸、編み物、ランニング、スポーツ観戦。

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