【朝の恋愛小説:あしたの朝、ヨガスタジオで。Vol.46】Week 7(4)好きになる理由

 

(この物語は…毎朝のヨガ習慣をはじめてから108日目を迎えた、ヨガが好きなOL 紗季に、久々に起こる、恋と仕事の変化。朝のヨガスタジオで巻き起こる男女のハートフルなラブストーリー。小説のストーリーに合わせ、毎週おすすめヨガポーズをご紹介します。

Week 7は、再び、主人公紗季の元恋人である真司の視点でストーリーが展開します!)

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Vol.46 Week 7 「世界で一番大切にしたいひとは?」 (4)好きになる理由

その頃の紗季は、仕事でうまくいなくなればなるほど、僕に依存していった。

僕たちは、それまでしていた表面的な会話ではなく、哲学的な話をいっぱいした。異国の地だったからこそ議論せざるを得なかったのだろう、文化的なこと、死生観、宗教観を。

僕はそれが心地よくなっていた。毎日、紗季の問題提起を聞いて話し込んだ後、2人でベットに潜り込み、お互いを知る作業が、誇らしいほどだった。

ずっとこれが続けばいいのに・・・

初めて結婚を意識し、いつの間にか同棲生活をスタートしていた。

それが嫌になったのは、僕ではなく、紗季だった。

ある日、紗季は言った。

「このままじゃいけないと思うの」

自分のプロダクトブランドのプランを作り、意気揚々として僕に語った。そこからの紗季は、水を得た魚のように、生き生きし始めた。

ネガティブとポジティブの関係。

紗季が、ポジティブになればなるほど、僕はネガティブになった。そして、紗季に嫉妬した。

別れた時、紗季を本気で迎えに行かなかったのは、少しホッとした気持ちもあった。無論、別れる気はなかったが。

しおりをNYで迎えた。突き放された時、せっかく紗季を乗り越えるチャンスを、また簡単に手放していいのか、と思った。

JFK空港についた後、しおりと、サードウェーブのコーヒーショップにいた。おすすめのシナモンロールを2人で分けた。いい時間だ。

しおりは最後に笑顔で言った。

「きっと後悔しますよ」

ほんとだ。しおりは本当にいい子だ。

(つづく)

今週のおすすめヨガ「すきのポーズ」

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Week 7のおすすめは「すきのポーズ」。

上半身の柔軟性を高めるだけでなく、内臓や神経にも刺激を与える万能のポーズ。ヨガのフローの終盤で取り入れることが多いポーズです。脊柱に刺激を与えます。

「すきのポーズ」の流れ

  1. 仰向けになり、背中をゆかにぴったりつけて、両足を胴体に近づける。
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  2. 腰を持ち上げ、足を頭上に運び、床に足先を落とす。腰があがるように手でサポートする。
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  3. サポートしている手をはずし、床にぴったりとつける。
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(この小説は毎朝4時更新です。続きはまた明日!)

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★この物語の登場人物
新城紗季(しんじょうさき/30歳)プロダクトブランド販売会社のマーケティング部につとめる。この物語の主人公。
アレクサンドル・ハミルトン(アレックス)(38歳)フランス系アメリカ人。ヨガスタジオを経営。
相場優斗(あいばゆうと/38歳)外資系投資銀行の行員。
桜井真治(さくらいしんじ/35歳)紗季と同じ会社でニューヨーク店勤務。紗季の元恋人。
東谷しおり(ひがしやしおり/25歳)ヨガ仲間のひとりで、紗季の会社の事務系OL。

 

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朝の小説シリーズ

毎朝読みたい小説シリーズ「やっぱり朝は、二度寝が好き。(完)」「シンデレラの朝ごはん(完)」
Written by

石垣モンブラン

幼少期から創作好きで、3歳児で替え歌発表(笑)、小学時代に学習発表会の脚本、絵本を制作、中学から新体操やダンスの振付をはじめる。現在は、小中学生のミュージカル劇団「リトル・ミュージカル」主宰。台詞をこどもたち全員で創るという他にはないミュージカルの脚本原案、作詞作曲、振付を担当。だけど大人の恋愛模様が大好き。ライトノベルや映像脚本も執筆し続ける。

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