(この物語は…毎朝のヨガ習慣をはじめてから108日目を迎えた、ヨガが好きなOL 紗季に、久々に起こる、恋と仕事の変化。朝のヨガスタジオで巻き起こる男女のハートフルなラブストーリー。小説のストーリーに合わせ、毎週おすすめヨガポーズをご紹介します。
Week 6は、再び、主人公の紗季がつとめる会社の事務系OLしおりの視点でストーリーが展開します!)
Vol.39 Week 6 「好きなひとに振り向いてもらう7つの方法」 (4)ふられても笑顔
真治から離れたわたしは、素直に。ストレートに胸にむかって言った。賢く、切なく。
言葉は慎重に、どれほどの切ないかを。真治の気持ちともシンクロする言葉を。
「笑顔」で。
「ちゃんと言いますね。結果は分かってるんですが、わたし、桜井さんのことが好きです。
最初は、かっこいい!くらいで。最初のウチは興味本意で、2人のこと見てました。でも、気付いたら、真治さんだけ目で追ってることに気付いたんです。
それが好きっていうことに気付くのにもちょっと時間がかかりました。こんな想いをするのが、久しぶりで」
結果は分かっていても、断りの言葉はできれば聞きたくない。
「社会人になってからは、わたしのことちょっと気にしているかも、って察したところで、食事行って付き合って、傷つかないように、最初から上手くいくように」
「だから、真治さんのこと好きだって分かったときには、もう失恋決定で、どうしていいか分からなくって。ほんと中学生になった気分なんです」
真治さんが何か言わないように、とにかくしゃべり続けた。
今度はいつの間にか、笑顔のまま、涙が止まらなくなっていて、紗季さんに言われた「賢く」なんて出来ないのだと悟った。
「ちょ、ちょっと落ち着い・・」
「真治さん、わたし、もうちょっとがんばってもいいですか?」
真治は、わたしの頭をポンポンと触れながら
「そんな告白もらったの、僕ははじめてだよ」
「大人の方が、恋愛ってへたくそだよな」
2人で笑った。過呼吸が、少し落ち着いた。
「ちょっと考えてみてもいいかな?」
「な、なにを・・?」
「なにをって、前向きに」
「しおりちゃんとのこと。いまここで返事をするのは、あまりに冷静じゃないから」
「待たせることは、辛いことだと知っているから、NYに帰って、冷気にさらされれば、きちんと答えを出せると思うから」
わたしは、最後くらい、賢くなろうと思った。これ以上ないとびきりの、そして穏やかな笑顔で答えた。
「はい、フライト、お気をつけて」
(つづく)
今週のおすすめヨガ「英雄のポーズ(バレエ編)」
Week 6のおすすめは「英雄のポーズ(バレエ編)」。
ヨガの代表的なポーズで、下半身の筋肉を強化し、上半身と下半身をバランスよくストレッチできるポーズです。息を吸いながら、脚の力で地面に根をはり、両手をあげると不思議なことに、パワーが涌いてくるでしょう。
脚の筋肉をしっかり使うことで、美脚やダイエット効果も期待できます。
「英雄のポーズ(バレエ編)」の流れ
- 丹田をしっかり引き上げ、両足でしっかり床を感じながら、まっすぐに立ちます。手はバレエのアン・オーの状態にします。肩をさげ、胸は開きます。
- 右足を後にさげ、左足ひざが90度になるまで曲げます。骨盤は真正面にし、手は胸の前まで上げます。二の腕を外側にひねったような状態で引き上げます。
- 手を頭上に持ち上げます。
- 息をすいながら、腰からではなく、胸から後方に反ります。
- (番外編)前方に出ている足のひざに向かって、手を下ろします。少し前傾し胴体をひねります。
(この小説は毎朝4時更新です。続きはまた明日!)
★この物語の登場人物
新城紗季(しんじょうさき/30歳)プロダクトブランド販売会社のマーケティング部につとめる。この物語の主人公。
アレクサンドル・ハミルトン(アレックス)(38歳)フランス系アメリカ人。ヨガスタジオを経営。
相場優斗(あいばゆうと/38歳)外資系投資銀行の行員。
桜井真治(さくらいしんじ/35歳)紗季と同じ会社でニューヨーク店勤務。紗季の元恋人。
東谷しおり(ひがしやしおり/25歳)ヨガ仲間のひとりで、紗季の会社の事務系OL。