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自選 谷川俊太郎詩集

 

今日のカフェボンボンは、『自選 谷川俊太郎詩集』

デビュー以来、二千数百に及ぶ詩の中から自らが厳選した詩一七三篇。心揺さぶられる詩を、夏真っ盛りの八月の朝に。

20130806

自選 谷川俊太郎詩集
著者:谷川俊太郎
出版社:岩波書店

ネロ
もうじき又夏がやってくる
お前の舌
お前の眼
お前の昼寝姿が
今はっきりと僕の前によみがえる

これは谷川俊太郎が18歳のときの詩。愛された小さな犬にあてた「ネロ」の冒頭の一節です。たった二回しか夏を知らなかった子犬のネロ。「僕」の前には無限の夏が広がっているけれど、新しい夏がやってくるたび、ネロのいた夏を思い出す……。

夏になると谷川さんの詩を無性に読みたくなるのは、この詩のせいかもしれません。ただ蝉の声を聞きながら、地球の柔らかい丸みや空の青さを思っていたい。

この詩集の「朝時間」は、「ぱん」の一節より。

ふんわり ふくらんでいます
そとはちゃいろ なかはしろ
いいにおいです
わたしは ぱんです

BONBON79

 

変わりばえのしない日常が輝く。たとえば、朝食のパンのふくらみに。そんなささいなことに気づいたとき、人はほほえむのですね。

Love, まっこリ〜ナ

 

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Written by

まっこリ〜ナ

編集者・ライター

出版社勤務を経てフリーランスに。図鑑や写真集、子どもの本や雑誌などの編集に携わる。本がくれる愛のチカラを糧に生きる日々。いちばん好きな本の主人公は長くつ下のピッピ。
趣味は草花園芸、編み物、ランニング、スポーツ観戦。

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