今日のカフェボンボンは、傑作小説『最終目的地』。
著者のピーター・キャメロンは、90年代のサリンジャーといわれた人。小説の舞台は、南米ウルグアイの人里離れた邸宅です。
『最終目的地』
著者:ピーター・キャメロン/訳:岩本正恵
出版社:新潮社
睡蓮が浮かび、コイが泳ぐ噴水のある美しい家。このひっそりとしたお屋敷に、以前自殺した作家の妻、作家の愛人と娘、作家の兄と恋人の青年が、世捨て人のように暮らしています。
そこにある日、作家の伝記を書きたいと熱望するアメリカ人青年がやって来て、人々の静かな日々が揺らぎ始めます。世の中から忘れ去られた家の止まった時間を、心優しい不器用なひとりの青年が再び動かすのです。
強烈な個性を持ちながら、あきらめと後悔の気配に包まれた登場人物たち。人生が動き出したあと、彼らはそれぞれの「最終目的地」にたどりつくのでしょうか。
本書は、90年代の作品の軽やかさを保ったまま、より繊細さと深みを増したようです。この作品は映画化もされ、作家の兄の恋人役のアジア系の青年を、真田広之さんが演じています。
Love, まっこリ〜ナ