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素晴らしい夏の気分を運ぶ『海のふた』

 

今日のカフェボンボンは、よしもとばななの『海のふた』。物語を包みこむ海の気配が体を潤す物語です。

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美大を卒業したての「まりちゃん」は、南の島に移住したくて下見の旅をする。島のかき氷屋さんに立ち寄ったことで、運命が動き始める。

ふるさとの西伊豆に戻って、自分でかき氷屋を始めてみよう! そんなとき、お母さんの親友の娘「はじめちゃん」が静養にやってきて……。

「ハイビスカスの花に浮かんでいる透明な水滴みたいにきれいな」雰囲気をもつはじめちゃん。彼女に店を手伝ってもらいながら、そのしんとした静かで強い心に引かれていくのだった。

琉球ガラスの器や、南の島と同じ果汁を使ったメニューが独特で、近くにこんな店があったらきっと毎日通ってしまうだろう。

夢を叶えること。それは毎日の生活のつながりから生まれる。自分が本当にやりたい、愛してることかどうか。

沖縄の版画家・名嘉睦稔さんの作品が、海の底のように美しい。「海のふた」の意味もとても素敵です。

 

20140820
海のふた
著者:よしもとばなな
出版社:中央公論新社

(上の写真は単行本。文庫本はこちらです。)

Love, まっこリ〜ナ

 

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Written by

まっこリ〜ナ

編集者・ライター

出版社勤務を経てフリーランスに。図鑑や写真集、子どもの本や雑誌などの編集に携わる。本がくれる愛のチカラを糧に生きる日々。いちばん好きな本の主人公は長くつ下のピッピ。
趣味は草花園芸、編み物、ランニング、スポーツ観戦。

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