海辺の博覧会。のどかで懐かしい響き。何か楽しいことが起こりそうな予感がする。1959年の夏の「ぼく」のふるさとも、そんな空気に満ちていた……。
『海辺の博覧会』
著者:芦原すなお
出版社:ポプラ社
四国の海辺の町で、大博覧会が開かれることになった。「ハクランカイちゃ、なに?」「遊園地みたいなものか?」ぼくたちは博覧会がどんなものか知らなかった。なんせ大阪万博が開かれたのはもっとあと、1970年のことだから。
いつもの遊び場の砂浜で工事見物をしてはワクワクしてた。そしてとうとう、待ちに待った大博覧会の日がやってきて……。
著者の芦原すなおさんのふるさとは、四国の香川県観音寺市。輝く白砂の松林で遊びくらす日々。楽しみは相撲大会や運動会。この物語のような、素朴な子ども時代を過ごしたなんて、うらやましい。
ちょっと変わった大人たちもいたからこそ、毎日が面白くてエキサイティングだったんですね。
そういえば、大林宣彦監督が映画化した『青春デンデケデケデケ』(芦原すなお/河出書房新社)も観音寺市が舞台でした。ちょうど本書の子どもたちが高校生になった頃のお話です。原作も映画もすっごく面白いのでオススメです。
Love, まっこリ〜ナ