今日のカフェボンボンおすすめメニューは、よしもとばななの『ジュージュー』。
スパイスがほどよく効いた美味しい小説です。
『ジュージュー』
著者:よしもとばなな
出版社:文藝春秋
ステーキとハンバーグの店。名前はジュージュー。ママが亡くなってから、パパと娘の美津子と親戚の進一で切り盛りしている。下町の小さな店に、それぞれの思いを抱えて集う人たちに、美津子はジュージュー音を立てる重い鉄板を運ぶ。お待たせしました。ごゆっくり。パパは常連さんの様子を見て、焼き加減や味つけをほんのちょっとだけ変える。
だからジュージューのハンバーグはいつも絶対に美味しくて、ひと口食べるとみんな嬉しくなって帰っていく。お客さんの笑顔が見えるとき、そこにはママもいる。ジュージューにはミラクルに輝く時間が流れています。
私の町にジュージューがあったなら、家族みんなで繰り出しちゃうのに。夕涼みがてら歩いていくのもいいな!デザートにバニラアイスクリームまで食べて、一歩も動けないくらい満腹になって。ランチには女友だちとビール飲みながらおしゃべりする。想像するだけで楽しくて、現実じゃないことがほんの少しさみしいです。
大切な守るべきお店があるから揺るがない。どんな日にも店で立ち働く美津子を見ていると、何かにせき立てられているような焦りや虚しさが、すうっと溶けていくような気がします。
表紙は漫画家・朝倉世界一さんの『地獄のサラミちゃん』。シビレます! ジュージューという名前も、じつはサラミちゃんにちなんでるの。朝倉世界一さんの作品もカフェボンボンでおすすめしたいので、待っててくださいね。
ジュージューの「朝時間」は、ママの死から立ち直れなかった美津子に、世界の色が戻ってきた朝。心癒される瞬間です。
本のお供には、マグカップのコーヒーを。ジュージューのように、ちょっと薄めでいかがでしょう?
今日のお昼はハンバーグ!
Love, まっこリ〜ナ