今日のカフェボンボンは、『デッドエンドの思い出』。
どこか官能的で人肌恋しくなるような物語。よしもとばなな珠玉の短編集、5つのラブストーリーです。
『デッドエンドの思い出』
著者:よしもとばなな
出版社:文藝春秋
婚約者との愛が壊れてしまって呆然としたり、社員食堂で毒を盛られ、体も心も壊れそうになる。ダメージを受け苦しむ主人公たちが、とても痛々しくせつない。
でも、絶望のふちにいるときにも、幸せが訪れることがある。それは唐突にやってくるから、誰にも予測できない。著者はその輝きをすくいとり、みずみずしく描き出す。
幸せというものは「自分で思うままにつくりだすことだけができない」。だから、大切な一瞬を見逃したくない、手放さないで……。
『デッドエンドの思い出』の「朝時間」は、傷ついた「私」に訪れた幸せ。
透明な秋の空と降り積もるいちょうの葉。心の中にそっとしまった、宝物のような思い出です。
そして今夜は満月。美しい月と出会えるのも幸せのひとつだと思う。それは不意打ちではないから見逃さないでね。
Love, まっこリ〜ナ
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