今日のカフェボンボンメニューは、『コイノカオリ』。
“恋の匂い”をモチーフにした恋愛小説アンソロジーです。角田光代、井上荒野、宮下奈都ら6人の作家の短編を収録しています。
『コイノカオリ』
著者:角田光代・島本理生・栗田有起・生田沙代・宮下奈都・井上荒野
出版社:角川書店
恋をしているとき、その人から立ち上る匂いがある。それは人それぞれ違う。自分では変えたり消したりできない、とても私的で切ないもの。
恋に落ちたその瞬間だけ、ひときわ強く感じる匂いもある。今をときめく人気女性作家たちが描く恋には、そんなさまざまな香りが散りばめられています。とくに、栗田有起の『泣きっつらにハニー』と宮下奈都の『日をつなぐ』は余韻が残ります。
6つの物語の香りは、生々しさを感じる“匂い”といった方がしっくりくるかもしれません。香りが匂い立つストーリーに浸っているうちに、五感が研ぎ澄まされていくようです。恋の始まりに心も体も敏感になるあの感じですね。
アンソロジーの良さは、今まで読んだことのない作家の作品に出会えること。気に入った作品があれば、それをきっかけに新しい世界が広がりますよね。
この本の「朝時間」は、朝日の射し込む台所に立ち込めるスープの匂い。
宮下奈都の『日をつなぐ』の冒頭のシーンです。
本のお供には、ハニーカフェラテをいかがでしょう。花の香りの蜂蜜をたっぷり入れて……。
Love, まっこリ〜ナ
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