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鬼才ディックの傑作『時は乱れて』

 

今日のカフェボンボンは、『時は乱れて』

アメリカのSF作家・フィリップ・K・ディックの傑作長編。鬼才ディックのとりこになる作品。待望の復刊です。

20140317

時は乱れて
著者:フィリップ・K・ディック/訳:山田和子
出版社:早川書房

レイグル・ガムは町の有名人。新聞の懸賞クイズ「火星人はどこへ?」コンテストに勝ち続け、2年間も全国チャンピオンの座をキープし続けている。

時は1959年、陽光あふれるのどかな町。レイグルは言いようのない違和感を覚える時があるのだった。彼がクイズに勝ち続ける本当の意味は……。

物語のディテールもディックの小説の魅力のひとつ。新聞の一面記事、女性のファッション、隣人とのポーカー、町のダイナー、フォルクスワーゲン、ペーパーバック。ありふれた日常がリアルなほど、現実の裂け目は暗く深い。不穏な空気はより居心地が悪く感じられる。

ディックはハリウッド映画『ブレードランナー』『トータル・リコール』『マイノリティ・リポート』などの原作者としても有名ですよね。

ひとたびページを繰れば、不思議なヴィジョンに吸い込まれてゆく。
どこまでも時は乱れて。

サンリオSF文庫の『時は乱れて』。表紙もインパクトあり!
サンリオSF文庫の『時は乱れて』。表紙もインパクトあり!

サンリオSF文庫はサンリオがかつて刊行していたSF叢書。『時は乱れて』は初回配本の一冊だったんですね!懸賞クイズの「火星人はどこへ?」は「小さな緑の男は次にどこへ行くか?」となってます。

Love, まっこリ〜ナ

 

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小説から絵本まで、編集者が選ぶ”朝読書”におすすめの1冊
Written by

まっこリ〜ナ

編集者・ライター

出版社勤務を経てフリーランスに。図鑑や写真集、子どもの本や雑誌などの編集に携わる。本がくれる愛のチカラを糧に生きる日々。いちばん好きな本の主人公は長くつ下のピッピ。
趣味は草花園芸、編み物、ランニング、スポーツ観戦。

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