今日のカフェボンボンは、詩人・長田弘の名詩集『世界は一冊の本』。
「世界というのは開かれた本で、その本は見えない言葉で書かれている。」まだ見たことのない“言葉”を探しに外へ飛び出したくなる詩集です。
『世界は一冊の本』
著者:長田弘
出版社:みすず書房
本を読もう。
もっと本を読もう。
もっともっと本を読もう。
「世界は一冊の本」の出だしです。詩はこんなふうにと続きます。
書かれた文字だけが本ではない。
日の光り、星の瞬き、鳥の声、
川の音だって本なのだ。
世界という漠然とした輪郭の言葉が、本の形をとって輝き出し、心の地図が豊かに広がってゆく。
連作「十二人のスペイン人」は、スペイン市民戦争の時代を生きたスペイン人に捧げた詩。信念を貫き通したカザルスやピカソ、ガルシア・ロルカを力強く美しい言葉で語ります。
生と死をあるがままに見つめ、まっすぐに向き合う勇気がわいてくる。そんな心に深く残る詩が、いくつも収められています。
「十二人のスペイン人」の「朝時間」は、アンダルシアの詩人ヒメネスに捧げた詩の一節。
優しい目をした詩人が、ロバにいった。
子どもたちをごらん。鏡のカケラで
日光を集めて、日蔭にもってこようとしている。
信じていい。一日は単純で、そして美しい。
Love, まっこリ〜ナ